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高校生の留学体験 ― 何かかっこいいことを(*真柄順さんの手記)

真柄順(まがらすなお)さんにとってのかっこいいこととは、留学を通じて、「幅広い国際感覚と人間形成」をすることであったそうです。これは、彼女が留学をする前に思ったことだそうです。「しかし、本当はただ、制服や厳しい規則を離れて高校生活を送ってみたかった。アメリカを自分の肌で感じてみたかった」というのが留学後の回想です。
さて、留学初期の彼女は、高校生活を楽しむことができません。朝起きてから夜寝るまで何とか過ごすことで精一杯だったそうです。自分の良さが出ないから、友だができず、何を食べてもおいしくなく、人と話したいとも思わないという、苦難の連続。そして、彼女は「日本の自分」と決別することで、一気にアメリカ生活の機運を上昇させます。
ここでしっかり考えておかなければならないのが、「日本での自分」とは何を意味するかということです。過去の自分の説明は彼女の留学体験記には一つも記載されていません。しかし、日本にいる時とは、「変わった自分」の積極的なふるまいを彼女は熱く語ります。その基本は「何にでも(恐れず)ぶつかっていく」ことにあったようです。
週末アメフト試合の応援で声がガラガラになるまで叫びまくる、
学校のランチで食べたいメニューをクラスメイトと「奪い」あう、
雪がふれば夢中で遊ぶ、
ダンスパーティーが近づけば、お目当ての男の子とデートの夢を見る、
ひとことでいえば、彼女は「本当の自分」をすなおに認めて、そのこころのおもむくままに自分を解放したとはいえないでしょうか。なぜ彼女がそれを日本で、できなかったかというのは、おそらく「やぼな質問」でしょう。
アメリカという全く新たな環境では、親もいないし、友だちもゼロ、言葉も通じず、食べるものもまずい、そんなどん底状況から、これではいけないと這い上がる気力が持てたのが、彼女の喜びであり、プライドであり、人となりなのだと思います。
「何であんなに毎日を一生懸命過ごせたのか。今さらながら不思議に思ってしまうほど、絶大なパワーが自分のなかから湧き出ていた。人間って、がんばればどんな道だって歩けるものなのだ。それなりの楽しみもちゃんと見つけられる。」と彼女は留学生活を振り返ります。そして、「こころもからだもずいぶんとでっかくなった」と結んでいます。
異文化という鏡があったから、順さんは、自分にとってかっこいいことを見つけられたと思います。日本の文化のなかにいたら、果たして、かっこいいことを、極限まですなおに、見つめられたでしょうか。その答えを、いつか順さんに聞いてみたいと思います。
(*注:真柄順さんの手記は成功する留学、小・中・高生の留学2001-2002、107ページに掲載されています。)

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