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高校生の留学体験 ― 「人」とのつながり(*林田麻理子さんの手記)

高校生の留学体験 ― 「人」とのつながり(*林田麻理子さんの手記)
林田麻理子さんの留学先はノースダコタ州にある公立高校でした。ノースダコタというところは、人口密度が大変低く、日本と比べれば「何もない所」といっても過言ではありません。冬には-30度にもなる極寒の地でもあります。彼女は自らの異文化体験の成果を「人」とのつながりであるとしています。
学校での授業、昼休みの友だちとの会話、テニスチーム、ジャズバンドへの所属、ホスト宅の外壁ペンキ塗り、国内旅行、国語(英語)クラスでのレポート提出、奇妙な味の料理、日本にはない自然、現地小学校での日本紹介などを、林田さんは異文化体験のハイライトとしています。では、それらの体験がどのようにして「人とのつながり」を彼女に感じさせたのでしょうか。
地元の小学校(5年生のクラス)での日本紹介で、彼女は子どもたちから素朴な質問を受けます。未知の国に対する彼らの興味、好奇心に林田さんはすなおに驚いたことでしょう。そして、考え方の違いや宗教観など、受け入れがたいことがあることも学びます。
彼女のいろいろなことに対する興味や疑問を一緒に考えてくれた人々に彼女は感謝し、お互いによって立つ考え方が違い、文化が異なっても、人間としての共通点をたくさん見出します。それが彼女のいうところのつながりなのだと思います。
ホストファミリーとのなにげない会話、彼女の誕生日、サプライズパーティーには200人ほどの人が集まったそうです。「恵まれている」と感じる林田さんですが、文化をこえてリンクするのは、喜びや嬉しさの気持ちのすなおな表現であると思います。さらに、ドイツ、ウクライナ、ブラジル、フランスなどから来た留学生とのバス旅行は、彼女に国籍という垣根を超えた、アメリカで学ぶ「同じ人」としての自覚とプライドを与えたようです。
林田さんは帰国後に留学中の経験を生かして多くのことを「身につけた」として、留学中はアメリカあるいは日本のどちらか一方に偏って考えていたと述懐します。彼女の人間的成長は、瞬く間にすぎていったアメリカ生活一年間の驚きと感動の蓄積を、日本に帰国して反芻することで成し得たわけです。
林田さんの経験に、私も自分の留学時代を思い出します。あまりにも、留学先でのインパクトが大きいので、日本とアメリカ、その文化の違いに白黒つけたくなります。しかし、これからの時代はどちらが正しくて、どちらが間違っているということではないと思います。異質なものを受け入れること、認めることがグローバルスタンダードの基本であると私は信じます。
それを実践することは、簡単ではありません。故に、私は異文化に興味を持ち続けます。なぜならば、文化を形成しているのは、他ならない地球上のさまざまな「人」であるからです。
(*注:林田麻理子さんの手記は成功する留学、小・中・高生の留学2001-2002、102ページに掲載されています。)

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