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高校生の留学体験 ― 優しさ、思いやり、そして理解(*呂秀慧さんの手記)

「人は何かを理解しようとする時に優しい気持ちになり、そして優しい気持ちを持つから思いやりのこころが生まれる」-これは、99年8月から2000年5月まで、一年間アメリカに交換留学した呂秀慧(りゅう・しゅうふぇい)さんのコメントです。
彼女のアメリカ生活の転機は、留学生活の終盤3月に参加したワシントンDCへのバス旅行にありました。総勢125名、ドイツ、フランス、ブラジル、タイ、フィンランドなどからの留学生を詰め込んだ2台のバスは深夜二時に出発、15時間かけてワシントンDCに到着します。一週間の旅行はあっという間に過ぎていったと彼女はいいます。ホワイトハウス、国会議事堂、最高裁、スミソニアン博物館、ベトナム戦士慰霊碑、アーリントン墓地などおそらく、見るもの、聞くものにたくさんの驚きと発見があったと思いますが、物理的なものごとよりも、彼女は、たくさんの国から集まった10代の若者の「相手を理解しようとする気持ち」にこころを打たれます。
彼女が留学生活で感じていたのは、現地の生徒と彼女の間にある「壁」でした。「やっぱり国の文化が違うからだろうなぁ」と自身に言い聞かせていた彼女ですが、この留学生トリップによって「壁」は文化の違いとは関係ないということに気づきます。旅行中に知り合ったドイツ、スイス、タイなどからの留学生との話は、相手を知ろうとすることから、どんどん発展し、言葉の壁がとっぱらわれ、異文化を乗り越して、友情へと発展していきます。
すなわち言葉や文化的障壁ではなく、自分のなかにある意識のあり方が、自分を支配しているということに気づくわけです。
もっと知りたい、もっと伝えたいというこころの欲求が彼女を積極的にし、相手を受入れ、自分もまた受け入れてもらいたいという気持ちから、「優しい」気持ちで相手に接することをこの混合文化留学生トリップで学んだのだと思います。
彼女のそれまでの「壁」は、相手によって作られたものではなく、自らの相手に対する「理解不足」が原因であると自分への洞察を深めていきます。そして、この「気づき」が英語力の習得よりも大切であると彼女は感じます。異文化で発生する新たな「人間関係」、人の「感情の機微」などをじっくり考え、過去の自分と対比させる。「いやなこと」は数知れずあったけれども、留学におけるすべての経験が彼女の未来の土台となったと彼女は達観するにいたります。
優しさ、思いやり、そして理解の大切さを、ひとは十分に学んでいますし、理解もしているつもりでいます。しかし、これらのことは、論理ではありません。その実態は、感動によってしか学べないことなのだと思います。その機会が人生のいつの時期にどれくらいあるでしょうか。
日常のなかで、それらを期待して待つのではなく、「いやなこと」といっぱい戦いながら、自らを高めていった秀慧さんの手記から、私は人生を学びます。
(*注:呂秀慧さんの手記は成功する留学、小・中・高生の留学2001-2002、98ページに掲載されています。)

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