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15日ボーディングスクールの特徴-国語力について

アメリカボーディングスクールのみならず、英語圏の教育には語学力と数学力に関して、一貫した考え方があるように思います。日本の国語力というと、まず教科書が必ずあります。日本における文学作品、随筆、論説などの一節を掲載し、その内容について先生が解説するということが一般的です。
英語圏においては、作品そのものを取り上げるか、あるいは一節でなくて一章分をテーマとすることが多いのです。傍線の部分の解釈や指示代名詞のそれやあれが何を指すとかいったことよりも、作者が何を考えているか、この作品のメーンテーマは何かといったことの学習が多くなります。「講義」、「解説」という先生が中心に進んでゆく授業ではなく、先生がリードしますが、生徒に考えさせる、言わせるといった生徒参加型授業が英語圏の常識です。故に、まんべんなく、生徒が議論に参加できるクラス環境が求められるわけです。その基本は、少人数制にあると私は思っています。
国語(英語)のクラスだけではありません。歴史、社会、政治・経済といった分野においても、事実の分析とそこに隠されている個人の意識の在り方、信念、情熱、個人の意識レベルから発展した組織論、そして国家単位のシステムに見る繁栄と衰退の歴史解釈を生徒たちは求められます。いつ、どのような理由で、何が起こったか、それを自分の筆致で意見を組み立て、まとめ、展開するために、「書くこと」、「発表すること」を英語圏ではとても大切にします。
また、世界史と言えば、ヨーロッパが中心に展開されますが、ボーディングスクールの教育においては、「現場検証」も盛んに行われています。春休みや夏休みなどを利用して、「古代ギリシャの世界に行ってみよう」(今年は残念ながらこの企画は没になるでしょう)、「ローマの遺跡を見て、ローマ帝国を彷彿しよう」、「人類の起源を求めて、アフリカへの旅」などなど、数人の先生が中心になって、気楽にテーマを特定した学習旅行を実施します。そして、この「楽しかった」を文章にまとめて、前もって与えられたテーマに向って生徒たちは自分の歴史の足跡を記録してゆくわけです。
書くということの頻度が日本と英語圏では違うと思います。それと同様に、学習のユニットのなかで、考えて、まとめて、発表するという作業が日本よりもかなり多いと思います。故に、日本からの留学生たちは戸惑うわけです。
これまで意見など友達同士以外、公の場では求められることも、論理的に組み立てることも、殆どないわけですから。

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