留学コンシェルジュ

迷える青年-5

<21日のブログに続きます>
アメリカかニュージーランドで逡巡する青年から電話がありました。
「斉藤さん、アメリカの兄が行った学校は絶対無理ですか」
―無理だ。今のあなたの英語力では入れない。
「じゃあ、どんな学校なら入れますか」
―私の基準でランク3の学校。
「ニュージーランドだと、どうですか」
―勧められる学校はもちろんいくつかある。君はいつから留学したいの。
「来年の4月から」
―アメリカは9月からだよ。4月入学というのはない。早くてもサマースクールの始まる6月下旬からです。ニュージーランドなら、ターム2が始まる5月上旬、あるいは4月中旬のブレイクの期間でも渡航は可能だと思う。ニュージーランドのほうが(日本との)つなぎはいい。
「うーん、悩みますね」
―君が留学して達成したいことは何。
「英語が話せるようになって、友達がたくさんできて、バスケがやれて・・・。ニュージーランドに行ってみて、人がみな親切だったんで、ここならできると思いました」
―じゃ、ニュージーランドでいいんじゃないかな。
「・・・・・」
私があえて15歳の彼のことを「青年」と表現するのは、
彼が少年とは思えないからです。
4人兄弟末っ子の彼。その奔放さに社会的圧力がかかり、
「自由」の使い方を間違えて、学校生活でつまずき、
精神的成長がすこしずれて、心と体の均衡に戸惑い、
今、おおきな決断を迫られて、右往左往しているように思えます。
彼の本音は、おそらくアメリカでもニュージーランドでもいいのです。
しかし、どちらにしても、自分が公言できる「論理」が構築できない。
なぜと問われたら、それに明確に答えられることが、彼の心の中で、
青年性の支えになっているように思うのです。
それが彼のプライドですが、それにこだわる必要はないことは、
自分自らが気づくしかありません。
外からの「御意見」に対しては、彼のこころのバリケードが
誰をもシャットアウトしてしまっていると思います。
では、その公言は誰に対して行われるのでしょうか。
学校の先生か、アメリカに行った兄か、スイスに行った姉か、
家族を経済的に支える父か、口うるさく、あれこれと指示が多い
「うざい」母か。
当然のことながら私が思うにお母さんです。
お母さんも本人も難しい時期です。
ほっておいても、自分でどんどん進んでいった長男、
女の子だから留学について心配はしたけれども、しっかりものの長女、
兄、姉と年齢の開きがあり、普段の生活では遊ぶこともなく
彼らがかなり早い時期に家から離れたせいもあって、
母と青年の関係は独特の絆があるのだと思います。
それが、中学から高校に向かって、青年のお母さんからの
巣立ちもあり、いま青年のなかでその意識は乱高下しているように思えます。
つづく

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