US ボーディングスクール情報 -Cambridge School of Weston
アメリカのボーディングスクールを知れば知るほど、それぞれの学校の個性に驚かされます。このCambridge School of Westonも他のボーディングスクールと何が違うかという点で、彼らの明確な自己主張があります。
今年創立125周年を迎えるCSW(Cambridge School of Weston)は、9年生から12年生の4学年、総生徒数335人、留学生総数40名の中堅の学校という認識を私はしていたのですが、ドレスコード(生徒の着装の規定)がなく、生徒は先生をファーストネームで呼ぶという大胆な規則を持った学校です。
出願時に、TOEFLスコアは要求されませんが入学時の英語力は、中級程度(英語検定2級程度)が必須となります。ESLクラスは1年で終了することが留学生に期待されます。
学習カリキュラムにおいても、セメスター制(1年を2回に分ける)、クォーター制(1年を4回に分ける)、トリメスター制(同3回)も用いずに5週間で完結するモジュール制(単元制)を採用し、1クラスの時間は1回が90分、3科目の主教科と1科目の活動教科で構成されます。
ボストンから電車で20分あまりと交通の便がよく、なおかつ治安の良い、比較的高額所得者の住宅地域にCSWは寮生が80人と少なく、あとの生徒はデイ・ステューデントと呼ばれる通いの生徒たちで構成されています。
100年以上の歴史をもつCSW、ニューイングランドの中心ともいえるボストンの近郊にあり、生徒総数と留学生数が示すところは、ばりばりのトラッド系、大学進学校のイメージですが、生徒ひとりひとりの個性を「具体的に」尊重するために、また生徒が自分に合ったスタイルで勉強に取り組めるために、「授業中、食事の時も着装を自由にする」というのは、とても大胆で個性的な学校ルールであると思います。さらに、生徒は校長もファーストネームで呼ぶことになるわけです。CSWを運営する人々の並大抵でない教育に対する信念、すなわち「生徒主体」を痛感します。
髪の毛を淡いピンクにそめた女生徒がキャンパスを友達と談笑しながら歩いています。アドミッションオフィスを尋ねた人はナースさんでしたが、親切にオフィスまで道案内をしてくれました。アメリカで生まれ育ち、地元で著名なリベラルアート系の大学を卒業した、日本オリジンのアメリカ人、アヤコさんが留学生全体の世話役を務めているのも、日本のご家族にとっては安心材料となるでしょう。
このCSW、他のボーディングスクールと異なる魅力は、アドミッションのアシスタント・ディレクターに尋ねたところ、「アートに力を入れている」との答えでした。これは、おおよそのボーディングスクールで聞かれる定番の解答です。しかし、このCSWに関しては、着装自由、先生と生徒の緊密さ、通いの生徒の多さなどから、アート好きで、ある程度の英語力がある生徒には魅力的なボーディングスクールと言えます。