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夏のボーディングスクール訪問 東海岸→西海岸

Idyllwild Arts Academyをひとことで言えば、
広大な自然のなかのキャンプ場のような学校です。
そのキャンプ場のそこかしこから、バイオリン、チェロ、管楽器などの
音が聞こえ、レオタード姿の男女が歩いていて、
ログハウス的展示場には、絵画、陶芸、ジュエリー、写真などが
飾られています。
この学校で、今、サマースクールが行われていました。
キャンパスを行く多くの生徒たちが、何らかの楽器ケースを抱えています。
レギュラースクールの生徒数は280人ほどですが、
サマースクールには900人が参加しているそうです。
広大な敷地に大小いろいろな建物が点在しているので、
アドミッションオフィスがどこにあるのかを探しだすのはたいへんです。
大きな建物の受付の人に学校の地図をもらって、さらに職員や生徒に道を尋ね、
めざすオフィスにたどり着きました。
生徒や職員はみな親切に笑顔で説明をしてくれました。
この学校の子どもたちの顔には柔らかさがあります。
人を安心させるような温和さがあります。
ビジターを歓迎するというのではなく、すぐになじめるような
親しみを生徒や職員に私たちは感じました。
さて、ハーバード出のアドミッションスタッフのジェフは、
私たちをゴルフカートに乗せて、学校案内をしてくれました。
徒歩でこの学校を見学するのは、通常のボーディングスクールの
倍以上の時間と労力を費やすでしょう。
マンツーマン指導が行われる小さなコテッジ、森閑とした中にあるシアター、
客席として使われる敷地に敷き詰められた芝生の美しい野外講堂、
大きな窯が3つもある陶芸のための施設、
現像のための暗室設備、そして芸術施設とは別に独立した学習のための教室、
芸術を志向していない生徒でも、何かしてみたくなる、
そんな雰囲気がこの学校にはありました。
午前8時から午後1時までが通常の授業、続いて2時から6時30分までが
自分の専攻した芸術科目に関する時間です。
自ら大学時代に絵画を専攻した今回の生徒のおかあさんは、
Idyllwildは日本であれば、美大、音大の機能を備えていると言っていました。
そのような環境で中学高校時代に自分の思うところの芸術を
追求することができる ― なんと素晴らしいことだろうと思います。
9年生からの入学については、英語力はほとんど問いません。
12年生になるとESLクラスはなく、11年生までの段階で英語力を
完成させるというのが、この学校の方針です。
今年の9月入学の枠はまだ少しあるとジェフは言っていました。
Idyllwild Arts Academyはアートに特化している普通科の高校です。
この学校のほかに、Interlochen Arts Academy、Walnut Hill School
といったボーディングスクールがアートで有名な学校です。
しかし、アメリカのボーディングスクールは全般に日本の学校と比べ、
アートに関する施設、人員、プログラムがより充実しています。
これはそれぞれの国の文化なのだと思います。
日本は教育に関してのみ言えば、戦後の経済復興一直線の影響から
完全に脱していないと私は思います。
故に、普通科の高校においては、特進クラスや居残り勉強などの
システムは発達していても、情操教育に関しては、
あまり積極的ではありません。
好きなことを思い切りやらせることで、私は子どもたちの
潜在能力が引き出せると思っています。
「好きなことなど、大学でやればいい」などとは全く思いません。
日本の子どもたちが、好きなことを少しでも思い切りできる環境、
サマーだけでもそのような環境を提供できたら、
少しづつ日本の教育を替えることができると私は思います。

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