留学コンシェルジュ

留学初期 - 自ら考えるということ

留学して1ヶ月あまり、異文化への適応を模索するなかで、
留学生たちが海外での単身生活から身につける最初のことは、
「自ら考える」という習慣であると思います。
コミュニケーションが不自由、友達は身近にはいません。
さらに、食べるもの、生活習慣も劇的に変化していますから、
彼らが頼れる人は「お母さん」だと思います。
余談ですが、日本の戦時中、前線の兵士が瀕死の状態になると、
最後に言う言葉が「お母さん」であったとよく言われます。
その一言が、百の理屈よりも、明確にお母さんの存在がいかなるものかを
表現していると思います。
負傷兵が「天皇陛下」というときは、まだ生きられる状態といわれるのも、
兵士の心理を的確に表してはいないでしょうか。
余談でした。
もちろん、頼れる人が日本にいる友達である生徒もなかにはいると思います。
また、お母さんを頼らなくても、自分で決めた留学だからということで、
弱音を吐かずに、孤軍奮闘する生徒もたくさんいます。
しかし、多くの生徒たちが、留学初期の辛いこと、思っていた留学像と
現実がかなり異なることなどをお母さんに発信してきます。
それを受けて、お母さんも考えます。どうしたら良いだろうと考えます。
そして、わが子に何もしてあげられない現実をこころの奥で嘆きます。
この悲しさの共有というのが留学の原点であると私は思います。
留学後の半年間というのは、飛行機に例えればフルスロットルから離陸して、
高度を上げている状態です。フライト上、
もっともパイロットが緊張する時間です。
私ももちろんこの期間、緊張する時もあります。
親が留学しているわが子に対して、見えていることは、
究極には留学費用を支払うことあり、現場のわが子に対して、
こまごまとした指示を出すことではありません。
それが留学の事実です。
そして、子どもたちはお母さんが自分と一緒に考え、悩み、心配を
していることに対して、親子の絆を感じるのです。
「絆なんて、大げさですよ。そんなもんじゃなく、親とのバトルは
続いていますよ」とある生徒は私に言いましたが、
バトルが続けられることが、将に親子の証です。
それは、利害によって生まれるものでなく、自然発生するものと、
私は信じたいと思います。
気丈なお母さんも、優しいお母さんも、天然なお母さんも、かしこいお母さんも
どんなお母さんにも共通していること、それは子どもに対するあくなき「関心」です。
「無関心な親などいません」、もちろんその通りです。
大切なのは関心のあり方です。
つづく

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