韓国のSAT対策スクール
あるお母さんの依頼で韓国にある留学生を対象とした英語学校に電話しました。
目的は、夏季のSAT対策講座についての詳細を知るためです。
私は韓国語が話せませんので、会話は英語になりますが、
双方コミュニケーションの問題はありませんでした。
講座開始日、期間、内容、費用と話を進めてゆきました。
・ 一週間単位講座(毎週入学可)
・ 4レベルクラス(一クラス定員15名:授業は英語)
・ 費用:一週間で80万ウォン(*0.07=日本円額)
・ 8:30AM~6:00PMまでの学習時間
・ 推奨受講期間:8週間
といったことが英語学校の内容でした。
注目すべきはその授業および学校に滞在している時間の長さです。
より詳しく受講内容を解説します。
午前8:30より30分間、単語学習、9時から2時間読解、次の2時間作文、
昼休み1時間後、午後2時から単語、宿題、エッセイの講座がある
とのことでした。「午後のクラスも15名のクラスで行なわれるか」の問いの
回答は「YES」でしたが、これは確認の必要があると感じました。
朝から晩まで勉強させる韓国式SAT対策、韓国の人からみると、
この授業料は「とても高い」そうですが、ここまでやるその根性に
私は韓国で留学を目指す生徒と家族の意識の高さを直感しました。
余談ですが、インドの予備校の光景を以前に見たことがあります。
雨の降る日、生徒が多すぎて掘建て小屋にトタン張りの屋根からはみだした場所に、
机をならべ、なんと傘をさして受講している生徒がいるではありませんか。
何が何でも勉強するというその根性に私は正直、こころを打たれました。
まるで、敗戦直後の日本のようではないでしょうか。
貧しい、しかし、希望や夢を捨てずに、文句を言わず、贅沢をさておき、
とにかく一心不乱に目標に向かう姿勢は美しく見えます。
余談でした。
日本でもSAT対策はできますが、「なぜ韓国なのでしょうか」という質問を
私はお母さんにしました。
中国メインランド、香港、韓国などのSAT対策が「かならず伸びる」との
評判を友達から聞きつけた留学中の本人が、
「韓国の学校からその秘伝のテキストを学びたい」とのメッセージがあり、
お母さんもそれにOKを出したということでした。
本人も当然韓国式のSAT対策のタフさを、受講経験のある友達から
聞いているでしょう。それでも、チャレンジしてみようとする、その精神に
すがすがしい若さを私は感じます。
-いつも、(斉藤は)詰め込み教育に反対しているのに、なぜ今回は肯定的?
というご意見もあると思います。
教育を考えれば、考えるほど知識は「必要」となります。しかし、
知識量が多い人が偉い、安定した人生をおくれるという価値観を
私は持ちません。自分が獲得した教育のアプリケーションこそが、
その人の生きる価値観に現れると思います。
教育を受ける人たちが、納得して知識を増やし、苦労して学んだことが、
世界の将来に役に立ってほしいと切に願っています。