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ハーバードからの贈り物-その1

ハーバード大学を卒業したデイジー・ウェードマンという人が、
卒業を控えた学生のため、教授たちが行なう最後の授業を編集した
本の名前を今日の標題としました。
その中に同大学ビジネススクールの教授、H・ケント・ボウエンさんの
「サラの物語」という一遍があります。概要を述べます。
ごく普通の家庭に生れたサラは、賢く、積極性に富み、
創意工夫の才に恵まれていました。
ユタ州の農場で育った彼女は、学校に行く前数時間家事を手伝い、
図書館の本をたくさん読み、編み物を良くし、デザインも自分で考え
てきぱきとオリジナル作品を仕上げたそうです。
14歳で農場の牛の管理を父から任されたサラは、家事手伝い、学校、そして
牛の飼育健康管理、原乳の販売、そして帳簿つけまでを引き受け、
黒字となった資金を兄たちの大学進学費用に差し出したそうです。
サラは高校を卒業後、まもなく結婚し子どもを生み、育てることに
全身全霊を注ぎました。サラママはわが子たちに作文の指導をするときに、
単に文法やスペルだけでなく、文章構成のしかた、
抽象概念の盛り込み方なども教えるという器量を持ち合わせていました。
彼女が最も自分の天賦の才を発揮したのは、教える中身よりも、
子どもたちをその気にさせたことでした。
彼らがよりやりたいという意欲を持たせてあげられるところに、
サラの天才的指導性と能力があるのだと思います。
8人の子どもをかかえ、決して裕福とはいえない暮らしの中で、
慈愛に満ちたサラは、近所から里子を一人引き受け、よい学校のない
サウスダコタの親戚の姪を引き取って、自分のところから通学させたそうです。
40歳を前にして、夫の突然の心臓発作による死により、
働くことを強いられたサラはキャリアなどなにもありません。
しかし、持ち前の独立心、自尊心でサラは、自らの手で一家を養う決意をし、
清掃員となります。「なぜ、サラが清掃員に・・・」、
彼女は子どもとの時間を大切にしたかった。
そんな母を子どもたちはよく理解し、助け、そして彼女の適応力と勇気を
誇りに思っていた ――・・・とはゆかず、子どもたちは清掃員ということを
恥に感じ、郡の保安官事務所で床を拭いたり、ゲロの始末をすることに
ラサの息子のケント・ボウエンは屈辱を感じたそうです。
ケントが母親を誇りに思い、心から尊敬の念と感謝の気持ちを
持てるようになったのは彼が高校を卒業する頃だったそうです。
世界第一級の学力・就職実績を誇るハーバード大学のビジネススクールの教授が、
最も言いたいことは、「サラ」は世界のいたるところにいるということだと思います。
境遇を嘆かず、すなおに受け止め、できることを淡々と行い、
自らの精神に誇りを持ち続ける。
サラママの子どもたちは思春期を過ぎて、本当の母の偉大さを悟り、
彼女のことを誰よりも愛し、親を誇りに思う。
私は、この物語をけっしてでき過ぎとは思いません。
むしろ、私の周囲の人たちにサラがオーバーラップすることが多いのです。
それは人間に平等に与えられている生きる力の持っている深遠で廣大な
精神の物語であると思います。

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