ハーバードからの贈り物-その2
昨日のブログに続き、デイジー・ウェードマン著「ハーバードからの贈り物」
について考えてみたいと思います。
15人のビジネススクールの教授が登場するこの本ですが、ハーバード大学から、
大学院、そして博士課程を経て、ハーバード大学の教授になった人は1人です。
また、会社経営やマネジメントに携わった経験のある教授が4人いました。
人材の「多様性」を私は、テーマとして考えるわけです。
東大のビジネススクールにあたる学部の現状はどうだろうか・・・。
この多様性が日本では重視されないのはなぜだろうか・・・。
といった課題が考えられると思いますが、これは私の意識が日米比較に
志向しているからで、友人から借りたこの本をはじめて読んだとき、
それぞれの教授の経歴など、一切気に留めることもなく、読み進んでいました。
「ハーバードの教授でも朝のゴミ出しとクリーニングの回収をするんだ」
「『卒業して数年間は同窓会に出るな』なんてわかる気がする、富の比較だから」
「ハーバードでも命をかけるような山登りをする人がいるんだ」
「10代のわが子に教えられたとは、意外と素直だな」
「親を愛する気持ちは世界共通だな」
などが素直な私の印象ですが、それぞれの教授の学歴や社会経験などの履歴を、
彼らの語っていることと比較などはしませんでした。
私の言いたいことは、「視点」なのだと思います。
それは、大雑把かもしれませんが、生きてゆく価値観であると思います。
ハーバードの教授という成功した人たちが何を語るか、
15人はいずれのもたいへん人間的で、たくさんの努力と苦労を
されている人々でしょうが、いわゆる直線的な「成功哲学」を、
最後の学生へのメッセージとして語る人はいません。
むしろ、人は本来利己的であり、我儘であり、成功するとすぐに有頂天になり、
肯定よりも否定の理論を作りやすく、諦めやすいとった当たり前のことを、
若い人たちに意をこめて、自分をさらけ出して、伝えようとしているように
私には思えました。
時代はグローバル、いつまでも比較する必要はないかもしれません。
東大一直線の人は、そのような価値観をもって自分の人生をつくる人には
絶対なる価値観として継続されるのだと思います。
日本の良さを日本で見つめ、世界の情報はインターネットやメディアから、
ということも「あり」ですね。
「だから選択が大切なんでしょ」、はい、私はそれを否定しません。
そして、できるならば、「多様性」を人間社会だけで考えるのではなく、
地球全体まで包括できないかと考えます。
さらに、歴史という時間をこえたところで「多様性」が学べたら、
私たちの意識はより豊かになると思います。
意識をこころと言い換えて、今日のブログを終わらせていただきます。