今時の若者たち1
若者たちが海外に出たがらない傾向が顕著な日本ですが、
どうして出たがらないのかと考えてみると、
市場の底冷えが最優先に挙げられると思います。
海外に行っている経済的、時間的余裕がないということなのだと思います。
さて、師走となり過去のメールを整理している折、アメリカ、ウィスコンシン州、
大学院博士課程で勉強するマサ君からの年賀状メールにあたりました。
日本の若者の内向き傾向が加速される中でマサ君は、
20代なかばで人生再チャレンジということで、留学している日本人の若者の
「鬼にも迫る」気魄と努力に強くこころを打たれたそうです。
高校時代から10年余りをアメリカで過ごしているマサ君です。
彼のアメリカでの努力や苦労は相当なものであったと思います。
さらに、数学の道を究めようと博士課程にすすむマサ君を私は
以前にブログでご紹介しましたが、そのマサ君が感嘆するほどに、
一所懸命な純ジャパの若者がアメリカの州立の大学に複数いることに
私は希望を感じます。
雇用の低迷、就職難、失業率の増加で若者受難の時代かもしれません。
しかし、そのなかで人生に再チャレンジをする若者が確実にいます。
彼らが求める人生とは何なのかと私は考えます。
日本を飛び出して、彼らはこれからの人生で
どのような勝負をしてゆくのでしょうか。
もちろん、勝負の相手は自分自身です。
グローバルという時代に適応するには、
今までの人生の「当たり前」から決別し、新たな自分の意識を再構築する、
その決断が一番重要なのではないかと思います。
マサ君が知り合った日本からの若者は、
新たな自分を作るために命をかけている人たちであると思います。
語学力、異文化理解、プレゼンテーション力、コミュニケーション力、
問題を解決する力などを中心として、
自分の人生を組み立てたいと彼らは思っているのかもしれません。
いろいろな社会技術習得に命をかける気魄で取り組んでいる彼らは、
その過程でおそらくこころざしを新たにするのだと思います。
あるいは、夢中な取組みの中からこころざしの大切さを
あらためて学習するのだと思います。
バブル崩壊後にこれまで認められていた価値観が変わり、
雇用形態と昇進システムがいわばオープン化された今、
それでも、教育においては旧来の価値観にこだわることが
できるかどうか、それは教育を受ける本人と家族にゆだねられています。
私は「勝ち組み負け組み」という表現が嫌いです。
誰に勝つのか、誰と競争するのかがあえてぼけていて、
日本が世界に誇っていた組織力が結局失われてゆく気がします。
協調性、思いやり、全体を考えるなど、当たり前だった日本の良心が、
利益の論理のもとで、より弱体化している気がしてなりません。
ゆえに、私は若者に考えてもらいたい。
家族に教育の選択をできるだけわかりやすく提供したいと思っています。