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日曜コラム:熊が出た

「クマが出た」というニュースを最近頻繁に聞くようになりました。
今年は夏の猛暑で熊の好物のどんぐりがみのらず、困った熊は人里まで
下りて食べ物を探さないといけないという状況だそうです。
日本の国土は60%あまりが山だと聞きました。
私が小さい頃は70%と記憶していたのですが、10%はゴルフ場、
スキー場などになってしまったのでしょうか。
去年、家内の実家のある岩手県浄法寺町でお盆を過ごした時、
車の通らない「舗装」された林道で日本カモシカの親子が
のんびり道を横切ってゆくのを至近距離(10メートル程)で見ました。
生まれて初めて見る日本の野生の大動物に私は大変驚きました。
「あのように大きな動物が野生で生きてゆくのはそれなりにたいへんだろうなぁ」と
しみじみ他人事でないように感じました。
まだ、彼らは「保護」の対象になっているからましですが、
熊さんはどうもとんでもない悪者扱いです。
ずいぶんと前のことになりますが、秩父の山に子どもたちと剣道の
サマースクール合宿に参加した時に、皆で三峰山に登りました。
熊が出たらどうするかという話になり、私は「まず皆で固まる。そして、
棒をもって熊を追い払う」と言いました。
するとある子どもが、「熊が襲ってきたらどうするか」と質問をしました。
「固まっていれば、熊は襲ってこない。熊も人間が怖いから」と言いました。
「それでも襲ってきたら?」と少年。
「棒をもって戦う」と私。
本当に熊にとっては災難です。
こっちは多勢に無勢です。
ディズニーのキャラクターに熊のプーさんがあります。
優しく、おどけたキャラクターで親近感があります。
ところが、日本ではやむを得ない事情で人里に出没する熊は
恐ろしげに報道され、捕らえられ、そして殺処分です。
言葉を持たない熊は自分の置かれた状況を説明する場もなく、
人間の生活を脅かすということで、とことん追求され、追いかけられ、
殺されてしまう。
どうしたら、熊や猿など「やむを得ない自由で人の縄張りを侵さざるを得ない
動物とわれわれ人間が共存できるかどうか」を私は考えます。
国土が広大で野生動物の多いアメリカやアフリカでは、彼らの縄張りを
侵さないという概念が発達しています。
それを破れば人間のほうが彼らにやられてしまいます。
国土が狭く人口密度の高い日本では、人と野生動物の境界線が引きにくい。
加えて、人口増加に伴う山の開発で熊のみならず、自然で暮らす動物たちは、
どんどん減っているのが現実ではないでしょうか。
日本以外の世界を体験した若者たちは、これからの日本の自然との共存にも
あらたなアイディアを提案してくれるかもしれません。

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