日曜コラム 独立していく生徒たち
小学校高学年から中学にかけての留学生をお世話することの喜びの一つは
生徒たちの著しい成長を見ることにあります。
英語が全く話せなかった生徒が翌年には話せるようになります。
身長も学校見学に行ったときは、私の肩くらいであったのが、
2-3年のうちにみな私の目線が下になるのが普通です。
日本の学校に比べると、ボーディングスクールは日常の学校生活で
運動する機会が多いので、体つきも変わってきます。
そして、幼顔が青年のそれになります。
留学に二年目でお世話が要らなくなる生徒も珍しくありません。
そのような生徒に学校訪問の折に会うと、幼少期のイメージしかない
私にとっては、驚きの一瞬があり、会話が始まると彼らの成長を実感します。
みな笑顔がとても美しいのです。
故に私も、満面の笑顔で彼らに接することができます。
彼らの会話のそつのなさ、節度のある態度、姿勢の良さに
内心ほっとしていつつも、
「あの時のわがままさ、奔放さはどこにいってしまったのだろうか・・・」
と私の意識は、過去、現在、そして未来へと
彼らのヒストリーを組みたてていきます。
彼らを2-3年の短期間で成長させたのは、いったい何なのでしょう。
ボーディングスクールでの団体生活、
異文化での切磋琢磨、
親の子に対する影響と改善、
自己啓発、
新たな友達との相互作用、
尊敬する、できる先生や大人たちとの出会い、
その分析は専門分野ではありませんが、人の成長を実感できることは
喜び以外のなにものでもありません。
教育は決して学校のみで行われることではないことを実感します。
また、その質の大切さも、これから再認識されることでしょう。
精神が柔軟で、何でも受け入れることのできる時期に、
なるべく多くの体験をするから、
彼らは急成長ができると信じたいと思います。
今回の学校訪問は、生徒たちの成長を目撃できたことが、
最大の収穫だったように思います。