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#2 多様性の尊重-ボーディングスクール

ボーディングスクールは時代のニーズに合わせて、全人教育(Whole Person)という理念はそのままに、教育の内容や施設、管理などのシステムは変化を遂げてきました。
創立当時の卒業生が今の母校を見たら、その近代的な施設と留学生の多さに仰天することでしょう。現代のボーディングスクールのキーワードは多様性です。
昨日、ニュージーランドへ留学した系のアートを得意とする生徒の作品を学校が買ったということを取り上げましたが、アメリカのボーディングスクールでもビジュアルアートの作品展示は頻繁に行われます。ボーディングスクールは、アート全般に特に力を入れている学校はアメリカ全土で数校はありますが、美術や音楽だけに特化した学校はありません。また、ハイスクール普通科のボーディングスクールであっても、ギャラリーや演奏や観劇のできる劇場(シアター)などの施設は、標準装備となっています。
美術に関していえば、「あなたの作品がぜひ欲しい」というギャラリー鑑賞者がいれば、「では、買ってください」というように自然に流れていくでしょう。実際に、マサチューセッツ州にあるCushing Academyのアートビルディングの入口には、ジュエリー作品が値段付きで展示されています。担当者に作者を尋ねたところ、生徒ではなく先生の作品でした。その道のプロがボーディングスクールにはたくさんいます。
楽器演奏、オプションでの個別指導や美術作品の展示、スポーツにおいては、アメリカの国技であるバスケットボールやアメリカンフットボールの分野に多くのプロスポーツ選手を輩出するなど、学業だけでは決してない学校実績は、生徒の多様性を尊重するボーディングスクールの方針がもたらした成果ではないかと思います。
多様性を尊重し、生徒たちの複数の分野に対する興味を伸ばすという学校の姿勢は、一見、自由奔放に思えますが、現実は自由奔放の責任を生徒が担わなければなりません。
ボーディングスクールの敷地には、フェンス、塀、といった外界と学校を遮断するものはありません。日本の23倍の広さを持つアメリカだから当たり前ではありません。学校内に閉じ込めるというのではなく、生徒の意思で行動するという信頼関係がなければそもそもボーディングスクールは成り立ちません。
そのような環境であるがゆえに、多様性がその力をボーディングスクールにおいては発揮できるのではないかと思います。

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