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多様性の尊重―ニュージーランド留学

ニュージーランドの南島、クライストチャーチにあるSt. Bedes Collegeに3年間留学し卒業した生徒が、お父さんと一緒にオフィスを訪れました。1年ほど前に会った時よりも背丈が10センチ以上伸びたのではないかと思います。
彼の得意分野はビジュアルアートで、将来はデザインの世界で活躍したいそうです。1年以上前に、アメリカ、ヨーロッパとアート系の大学を訪問し、結果としてイタリアにある大学で自分の好きな分野の勉強をすることにしたそうです。場所はミラノで期間は3年間。その後に大学院に進むかどうか、今はまだ、決めていないとのことでした。
彼が寮で高校生活をおくったSt. Bedes Collegeは、ニュージーランドでは一般的な普通高校で、アートに特化した学校ではありません。しかし、彼のアートの先生は、ロンドンでそれを生業として10年以上暮らした経験のある人だそうで、彼のアートセンスを最大限に伸ばしてくれたそうです。私が知る限りでも3個くらいのアート作品展で入賞をしています。
彼の作成したミニ屏風は、今でも学校に飾られています。
卒業に際して、彼がそれを持ち帰ろうとすると、先生はなんとNoと言ったそうです。それをこの学校に残すために学校が購入するというのです。生徒である彼が自ら値をつけたわけではないと思いますが、$200で学校が買ったそうです。
もし彼が留学せずに日本の普通科高校に行っていたら、アート活動は大きく制限されていたでしょう。その代わりに、受験勉強に時間を割かなければなりません。そうすることで、果たして彼のこころは満たされたかといえば、おそらく「いいえ」です。
日本の高校生が、好きなことを「楽しく、深く」やろうとすれば、受験勉強を犠牲にしなければなりません。そこまでの強固な意志と実行力があればいいのですが、現実は殆どの生徒がやりたいこと、興味のあることと、受験勉強のはざ間で学校生活を送っているのではないかと思います。
St Bedes Collegeの自慢は、質実剛健で国技、ラグビーの世界では著名なプロ選手も多数輩出しています。そのような学校気質でありながら、アート好きの彼が自分の「好き」と学校での学習をうまく結合し、さらにそれをアップグレードできる形でミラノの学校に進学するということは、彼だけでなくかれの家族も大いに満足するところではないかと思います。
多様性の尊重と追求は、ボーディングスクールの専売特許のみならず、英語圏全般の傾向でもあるようです。

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