#2 教育で教えたいこと
<昨日のブログに続きます>
夏休みや春休みなど、長期の休みに実施されるボーディングスクールのオプション旅行は、彼らが追求したい教育の一端を担っていると思います。今、地球で何が起きているか、自分たちが住んでいる地域以外のところはどのようになっているのかなど、子どもたちの社会的、精神的視野を拡大することに大きく貢献できるのではないかと思います。
個人的な例で恐縮ですが、小学校六年生の時に、担任の先生とクラスの数人で東京渋谷に行きました。目当てはプラネタリウムでした。どのような経緯でこのミニオプション日帰り旅行が実行されたかは忘れましたが、とにかくプラネタリウムに行ってみたかったのです。自分一人で、埼玉の田舎から電車を乗り継いで都会へ行くことは到底できないことでした。
おそらく、「プラネタリウムを見てみたい」という自分の気持ちを、担任の先生に繰り返し語ったのだと思います。そして、親しい友達を巻き込んで、先生に懇願したのだと思います。結果的に、先生は「親の許可があればいい」ということになり、このオプション日帰り旅行は実現したのでした。
昼間なのにプラネタリウムの中は、満天の星、更には、流れ星や星座、拡大された惑星が映し出され私たちの好奇心は大いに満足させられました。
日帰りの旅でさえも、思春期前の生徒たちはとても大きな感動を得られるわけですから、それがそれぞれの分野の専門家である先生によって計画され、物見遊山ではなく、テーマや課題が決められて、それに興味を持つ生徒たちが集まって行動するということは、彼らの将来に向けて大きなエネルギーを提供できるのではないでしょうか。
少なくとも、子どもたちの日常であるゲームやネットの世界から隔絶されて、自らの五感をフルに生かす旅は、彼らに非日常の世界を提供してくれます。現代だからこそ、そのような体験の価値が認識されてもいいのではないかと思います。
未知へのチャレンジ、冒険的要素もある旅は、それを引率する先生の個人的な情熱によって組織されるのではないかと思います。その先生を信頼し、尊敬する生徒たちが先生の企画に賛同して旅行に参加する。個人の意思が重視されるボーディングスクールならではの教育がオプション旅行にあると私は思います。