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#1 休み期間の利用法―ボーディングスクール

日本の中学、高校とは違い、アメリカのボーディングスクールは生徒に対して休み期間中の配慮は手厚くありません。日本の場合、中等教育の目標は大学入試ということが明確ですから、学校が稼働している時もそうでないときも、この目標に合わせて、やるべきことはいくらでも、塾や予備校が提供してくれます。
進学校と呼ばれるところは、中等教育でやるべきことをなるべく早く終了し余った時間を生徒が自分の目標に到達するために自由に使うように学校生活が組まれると言われています。
ボーディングスクールは、授業そのものが学校生活の基本であり、その目標とするところは、文と武、さらには芸に至るまで、総合的に自分を磨き、向上させることにあります。従って、学校がオフの時は、自分で自分自身を磨けということになり、学校以外の教育機関が目標達成のために活躍するという教育文化がありません。
中等教育の根本が日米では大きく違っているので、留学初年度の生徒たちは、休みの時の自由さを持て余してしまい、その使い方がわかりません。日本では、勉強するべきこと、覚えるべきことは、自分から率先して何をどのように行うかということなど、考える必要はなく、それぞれの学年で、それぞれの学科で、達成するべき目標は決まっていますから、初年度留学生の休み期間、糸の切れた凧状態になるのも無理もないことでしょう。
では、留学した生徒たちが、休みで帰国した場合、何をどのように組み立てればいいのでしょうか。
私は留学生たちが休み期間に達成すべき課題は、二つあると思っています。
一つは英語力を自主的につけること、もう一つは自分が将来やりたいことを考えるということです。
英語力を増すということは、TOEFLやSATの点数を上げることと考えてもいいと思います。そのためには、暗記学習、反復学習も必須となります。もし、そのような単純作業が嫌なのであれば、英語で自分の好きな分野の小説や論説、記事などを読むことに集中してもいいと思います。
大切なことは、自分で行動することです。
数学や物理など、数字を多用する科目は日本のほうが進んでいることは明らかですが、英語力という点においては、留学生はネイティブの生徒並みの読み書きができる人は極めて稀です。
ボーディングスクールでは、留学生が学校に慣れるためのサポートは、さまざまな機会を与えてくれますが、英語学校ではありませんから、英語力を向上させるという努力とプランは留学生自身が考える必要があるのです。
つづく

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