歴史の勉強-ボーディングスクール
留学希望の生徒に嫌いな科目、不得意な科目を聞くと、
ほぼ半分の確率で社会、とりわけても歴史と彼らは答えます。
その理由は、「暗記が嫌い」です。
このブログを読んでいる成人の皆さん、留学生のご保護者の皆さんも
暗記ばかりの歴史の授業が嫌いだったという人は多いのではないでしょうか。
日本史は大の苦手というよりも、暗記に対して拒否反応をしてしまう。
例えば江戸時代、町民文化が栄えて、幕府が脆弱になってくるあたりから、
社会、芸術、音楽などの分野でやたらと暗記する項目が増えると、
頭の中が満腹状態となり、もうこれ以上無理と自分の中の無意識が、
勝手に覚えることを放棄してしまいます。
余談失礼しました。
ボーディングスクールでは、暗記による歴史のクラスの学業評価は
ほぼないようです。
では何を歴史の授業で勉強するのでしょうか。
複数の日本人留学生からの情報、そして先生からのそれを総合すると、
歴史のそれぞれの時代の大きな出来事についての原因(cause)と
結果(effect)を授業では追求していくというのです。
なぜその事件が起きたか、そしてその結果、社会がどのように変化したか
ということを議論するのが授業だというのです。
すなわち、歴史を輪切りにして、それぞれの時代の主要な出来事を
暗記し、それを解説できるようにするという作業は、
ボーディングスクールでは行われていないというのです。
原因と結果を考えることは、将に歴史に学ぶことであり、
自分自身の歴史をこれから作っていくうえでも、
とても利用できる思考ではないかと思います。
しかし、中等教育時代、テスト対策のために暗記した歴史は、
その目的が達成されたとたんに目的を失うので、
いつまで知識が保存されるのかは疑問です。
仮にそれが保存されていたとしても、頼朝が鎌倉幕府を開いた年を
覚えていても実生活には何ら役に立つわけではありません。
なぜ頼朝が幕府を開いたのか、あるいは開けたのか、
そしてその後、日本の社会がどのように変化していったのか・・・、
そのようなことを、暗記よりもむしろ先に考えれば、
多くの生徒たちが、自分の意見を述べることでしょう。
頼朝を自分に照らし合わせて、一国を収める決断をして、
それを実行するに至ったかのほうが、人として興味の持てることです。