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#8 卒業式でのスピーチ-ジョン・ロバーツ氏について

7回にわたってアメリカ、ニューハンプシャー州にある
ジュニアボーディングスクール、Cardigan Mountain School卒業式での
ゲストスピーカーによるスピーチを解説させていただきました。
現アメリカ最高裁判所長官、ジョン・ロバーツ氏ですが、
長官に就任したのは2005年だそうです。
ブッシュ政権、オバマ政権、トランプ政権と3人の大統領のもとで
司法の頂点に立っている人物です。
日本の最高裁判所長官制度が出来たのが、昭和22年(1947年)だそうですが、
アメリカのそれは、1789年、なんとフランス革命の年です。
歴代の長官のなかには、アメリカ大統領だったウィリアム・H・タフト
(任期:1921年7月11日 – 1930年2月3日)もいました。
法の頂点に立つ人物が私立中学校の卒業式に出席し、
10代半ばの卒業生に向けて、彼らにとてもわかりやすく、なおかつ
具体的なアドバイスをするところに私は、アメリカの民主主義の原点を感じます。
最後にボブ・ディランのフォーエバー・ヤングの歌詞を
自ら朗読するところにも、ロバーツさんの若者に対する思いや、
アメリカのあるべき姿のみならず、世界に向かってのメッセージであると
するのは大袈裟にすぎるのでしょうか。
ロバーツさんのスピーチが、ボーディングスクールの頂点である
エクセター(Philips Academy, Exeter)やアンドーバー(Philips Academy, Andover)
でなく、その前段階のジュニアボーディングスクールで行われことも
私にとっては驚きでした。
「彼の立場を考えれば・・・」という発想をすれば、
公平性、平等性の精神からして、私立中学でのスピーチはいかがなものかと
なりそうですが、それはアメリカではありませんでした。
彼のスピーチの内容も、社会正義や公明正大という視点で観念的に述べられて
いるのではなく、子どもたちにやってほしいことが述べられています。
稚拙な訳で読みづらい点は寛容していただき、私はこのスピーチから
私たちが生きていくうえでとても大切な精神を学びました。
ロバーツさんは、ボーディングスクールの卒業生ですが、
彼の卒業したインディアナ州のLa Lumiere Schoolは、入学難易度の高い
ボーディングスクールではありません。
それでも彼がスピーチで「特権」としているのは、
将にボーディングスクールの教育の在り方そのものを指していると
私は確信します。
昨日の学校訪問では、あまりに時間がなく、アドミッションスタッフと
特権について話し合えませんでした。
それでも特権は、私のこころの内面で、確固たる場所にあります。

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