#2 学校規則の運用-ボーディングスクール
<前日のブログに続きます>
学校規則の実質的運用について、アメリカのボーディングスクールと日本の学校での違いを考えてみたいと思います。
アメリカの場合、飲酒、ドラッグ使用、暴力(喧嘩、いじめ)、寮内喫煙は厳しく罰せられます。アメリカ人の場合であれば、このような規則違反はno toleranceといって、一回で退学の可能性が十分にあります。留学生の場合は、語学や異文化などへのハンディが考慮されて、このような規則違反が初回であれば、1週間程度の自宅謹慎(帰国を余儀なくされる場合もあります)で済む場合もありますが、2回目は確実に退学となります。
日本の場合は、アメリカに比べて、通いの学校が多いために、ボーディングスクールとの規則運用においては、同じ条件での比較は難しいと思います。学校を離れてしまえば、学内では重大な規則違反となるようなことがらも、立証が難しいという物理的事情もあります。
しかしながら、社会全体の文化として規定年齢以下の飲酒は厳しく管理されていると思います。酒類の購入に関しては、疑わしき年齢の人に対しては、必ずIDが要求されますし、レストラン等でもID提示が求められます。
暴力についても、日本では喧嘩両成敗が学内でそのようなことがあった時の原則でしょうが、ボーディングスクールでは、暴力は、生徒から訴えがあった場合は、徹底して原因の調査が行われる傾向があります。
アメリカに対する一般通念として、暴力がまかり通るような印象がありますが、ことさらボーディングスクールにおいては、生徒同士のささいな喧嘩も訴えがあった場合の取り上げられ方は、日本の学校よりも厳密と言えます。
ネット上の情報を流用(plagiarism)することもとても厳しく罰せられます。人のアイディアをコピー・ペーストすることは場合によっては、退学処分になる場合もあります。
日本では、テストで成績が決まるため、宿題の出来に関しての情報流用はそれほどうるさくないと思いますが、ボーディングスクールの日常では、発想や着眼点などの個性は徹底して尊重されるため、宿題や課題も成績評価の重要な要素となります。それを人からの流用で済ませることは、彼らの概念ではとても罪深いのです。
留学生が情報流用をしてしまった場合、1回目は先生から厳重に注意を与えられて二度としてはいけないという警告で済ませられるかもしれませんが、2回目は退学処分もあり得る重要な規則違反であることを留学生は知っていなければいけません。