#2 ハーバード大学に入学するには
<前日のブログに続きます>
ハーバード大学がそこで学ぶ学生たちに求めているのは、人生のビジョンではないかと思います。
「あなたはハーバード大学で何を学びたいのですか」という問いにどれだけ納得のできる回答ができるかというのが、合格の鍵になるのではないかと思います。
中学、高校時代の学業成績、そしてSAT試験の結果だけでは、世界中からやって来る志願者たちを判断できるわけがありません。なぜならば、学業成績はほぼストレートA、SAT試験の結果はみな満点に近い点数だからです。
学業成績のみで、志願者の合否を決めることが、いかに空しく、判定要素が貧弱であるか、ハーバード大学の入試担当者は十分に心得ていることでしょう。
それ故に、この大学では、志願者の大学入学のこころざしや人生観といった生き方が重視されるように思います。
日本の大学入試と比較すると、あまりにも合否の基準が曖昧としていて、受験対策といっても、何をどのように取り組めばいいのか、掴みどころが明確ではありません。すなわち、知っていることの量を徹底的に増やすことが合格に直結するのもではないのです。
高校での学校生活はそこそこに、予備校、塾、家庭教師など、学校外の試験対策に徹底すれば、1~2年で合格も見えてくる日本の大学入試とちがい、ハーバード大学に入学するためには、高校生活そのものが問われ、さらには、志願者独自の出願の根拠とその展開、展望を文章と口頭で筋道を立てて説明できなければいけません。
四の五の言わずに受験勉強というわけにはいきません。そもそも、学校生活そのものが受験勉強に組み込まれていて、自らの個性や特性を徹底して分析してそれを発展的に説明するといういわば社会的作業が入試のプロセスの重要部分を占めます。
対策というよりも志願者の本音を引き出したい、それがハーバード大学の切なるおもいなのではないでしょうか。もちろん、ハーバード大学だけではなく、他のアイビーリーグ校、さらにはリトルアイビーと呼ばれる小規模リベラルアーツ系大学群、そして、ボーディングスクールでさえも、このようなコンセプトで学校運営がなされていると言えると思います。