留学コンシェルジュ

#1 留学生の英語習得過程

昨年3月に日本の中学校を卒業し、その後ニュージーランドの高校で3か月間英語の勉強をして、サマースクールをアメリカ、そして9月からスイスのインターナショナルスクールで学んでいる生徒がいます。最初の渡航時、英語力を示すSLEPテストのポイントは37でした。日本の平均的な中学3年生のポイントは30-35程度と考えられますから、SLEP37の英語力は同年齢の日本人スタンダードからいえば悪くはありませんが、実践英語力はほぼゼロといえました。
留学しておおよそ1年、その生徒にSLEPテストを再度受けてもらいました。その点数は48でした。留学前と比較して11ポイント上昇しています。驚異的とも言えたのは、リスニングセクションの74問のうち正解が69問という結果です。留学以前のそれの正解は49でした。
留学して1年余りでリスニングに関しては、学校生活で支障がない程度のレベルまで達成できたと言えます。
読解力のセクションでは71問中、37問の正解でしたが、こちらのセクションでは留学前と正解率がほぼ変化していません。
この生徒のみならず、中等教育機関への留学生は1年間で程度の差はありますが、同じような英語力の伸びを示します。1年間で生活英語はマスターできると言えると思います。
しかしながら、留学において重要なのは、リスニング力よりもむしろ読解力であり、さらには英文作成力です。
あるジュニアボーディングスクールの熟練スタッフは、留学生を評して、リスニング力は1年でほぼ達成できるが読解力、英文作成力はそれに比べてスローであると言いました。確かにその通りなのですが、そのまま、のんびりと読解力や英文力が上がるのを「スロー」に待っているわけにもいきません。
2年目の留学生の目標は、将にこの読解力や英文作成力をどうしたら最大に伸ばすことができるかにあります。その鍵は本人の目的意識の自覚にあることは、明確ですが、どうしたら本人の目的意識を自覚させることができるかがとても大きな問題です。
そこで、格段に伸びたリスニング力を再考してみます。
リスニング力は、本人の自覚がないままにいわば自然に伸びていくと思われがちですが、実は、友達を作るための努力、先生や学校スタッフに対する対応、さらには、学校外での社会でのコミュニケーションなどから、留学生たちは無意識のうちに環境への適応するための思考と努力を繰り返しているのではないかと考えられます。
自然に伸びたリスニング力をより分析していことで、読解力の伸びにつなげられる手がかりがあるように思います。
つづく

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