留学コンシェルジュ

ESLクラスで教えられていること

<土曜日のブログに続きます>
Albert CollegeでのESLおよび8年生(中学2年生相当)のクラス聴講で英語圏の教育方法を自分なりに理解することができました。それは、日本の英語教育での常識では考えられないほど、型破りなものでした。
土曜日のブログで紹介させていただきましたが、留学生の英語レベルにかかわらず8年生から小説の読み聞かせが行われています。しかしながら、9年生のESLクラスでは、句読点の学習という純粋に文法に関する授業が行われていました。
英語を学ぶ側からすると、中等教育機関としてのボーディングスクールのESLクラスの内容は、初歩から中級、上級そして応用まで体系的な学習システムがないように思います。しかしながらそれでもESLクラスが機能し、留学生たちが年を追うごとに学習成果を上げて、大学に進学していくというのが、現実です。
10代前半の生徒にとって、英語を学ぶという知的作業は、留学という手段を使えば自然に身に着くとも言えそうです。
すでに、留学生のサバイバル能力については、かなりの回数、このブログで述べてきましたので、改めて繰り返しませんが、今回のAlbert Collegeでの聴講で、単なる生活適応能力だけでなく、学習適応能力という高度な知的活動面でも、留学生は柔軟に対応できるものだということが確信できそうです。
では、英語を読むという作業を英語知識がとても少ない、いわばESL初級の留学生がどのように獲得していくのでしょうか。
その鍵を握るのが、彼らの素直な心です。この心は「受け入れる」という具体的な行動を促します。実は、国語としての英語クラスでは、留学生のための特別課題として、ネイティブ生徒とは別のメニューで学習が進められていくのですが、単語や語法など、作業としてこなせることをどれだけ受け入れられるかが問題です。また、日本と違って、授業を受けるクラスの人数は日本の1/3が標準、ESLに至っては1/4も当たり前であり、純粋な講義形式、丸暗記式の学習はありません。
このような環境にあっては、個々の生徒がどれだけ学習面で伸びたいか、伸ばしたいかという個人の意思が中心になってクラスが展開するように思います。すなわち、クラス単位の生徒たちが、同じことを学び、その成果が知識としてチェックされて、数値化されるという方式ではないのです。
つづく

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