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ボーディングスクールのハンズオン教育について

ボーディングスクールでは、ハンズオンということが良く聞かれます。実際に手にすることができる、すなわち「手作り」と私は訳しています。10名から15名くらいの少人数クラスによる授業がそれを象徴しているわけですが、単に少人数であることがハンズオン教育の核心ではありません。
試験に出る項目を単に覚えこみ、それを適宜、必要に応じて頭から引き出すという作業を少人数でやったとしても、生徒にとってそれは、興味を持ち、考え、疑問を呈して、議論するということにはならないと思います。知ることを徹底する授業はボーディングスクールでは行われていません。また、アメリカの中等教育においては、知っていることを、確認するための試験は大学入試においては、合否の核心とはなりえません。
それよりも、受験者の生き方、価値観、そして人生観といったものが、学業全般に平行して重んじられます。
ボーディングスクールのハンズオン教育というのは、人文学(歴史、社会、国語、文学、哲学、心理学など文科系の学習)のクラスに顕著にみられます。先生と生徒が全員向き合って授業が行われます。クラスには、大きなオーバルテーブル(楕円形テーブル)が一つ置かれているだけです。
歴史を例にとると、先生は生徒たちに、議論のテーマを与えます。近代であれば、第一次世界大戦、第二次世界大戦ということになります。それが何年にどんな原因で起こり、結果どうなったかというようなことは、教科書に書いてあることですから、先生はことさらそれを繰りかすことに時間は使わないでしょう。むしろ、教科書のその部分は読んでおくように程度でもあることでしょう。
授業が盛り上がるのは、たとえば、第二次大戦でアメリカが日本に原子爆弾を投下したのは、正しかったかというような議論を先生が生徒に問題提起して、その結果をお互いに発表する時です。人道的立場、戦争の早期終結を取る立場でお互いに、それぞれの根拠を研究調査して、授業に臨み、議論をするわけですが、そこに日本人留学生がいたとすれば、その生徒は何を調査してどのような立場をとるでしょうか
ボーディングスクールでは、そのようなことが授業の日常です。
つづく

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