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健康管理サイト―Magnus Healthについて

以前に何回かMagnus HealthやeBookなど、オンラインによる健康管理や教科書購入がアメリカのボーディングスクールで導入されていることをテーマにブログを書きました。この傾向をアメリカ以外の英語圏の国々、そして日本と比較してみると、アメリカの合理性が際立ちます。
Magnus Healthというのは、オンラインでの健康管理サイトで7-8年前からアメリカのボーディングスクールで使われ始めました。それまで、紙で提出していた健康に関するたくさんに質問肢がすべてオンライン化されました。この質問肢は学校によって内容が少しずつ異なります。たとえば、ニューヨーク州にある女子校、Emma Willard SchoolのMagnus Healthでは、出生証明書を添付する項目がありますが、他のボーディングスクールでは見られません。また、男子ジュニアボーディングスクールのFessenden Schoolをはじめアメリカンフットボールなどが盛んな学校には、Concussion(脳震盪)テストがMagnus Healthの中に組み込まれています。学校でのスポーツを安全に進め、運動中の事故を最小限にするためにそれぞれの学校がMagnus Healthという健康管理ソフトを使って合理的な健康管理を進めています。
このシステムが開発され、導入されるようになった背景には、近年のアメリカの子どもたちの多様な健康管理ニーズがあると思います。
アメリカでは、ビタミン剤や栄養剤以外で、毎日、何らかの薬を飲まなければいけない生徒が増えています。多種、多様なアレルギー症の発生と薬の服用、エピペン(注1)を必要とする生徒とその情報共有、それを管理するためには、スクールナース(学校専属の看護師)や、学校医がそれらの正確で細かな情報をなるべく早く得るために、オンライン化されたという事情があるのではないかと思います。
また、学校生活での病気や怪我に対応するためには、本人の既存の健康状態、さらには親の病歴なども参照する必要があり、それらがオンライン化されていたほうが紙による情報よりも管理が容易ということもあると思います。
このように厳密な健康管理ソフトは、アメリカのボーディングスクール以外では見られません。ニュージーランド、オーストラリア、カナダ、スイス(インターナショナルスクール)、イギリス、の中学、高校ではMagnus Healthのようなオンライン健康管理システムはなく、健康管理についてもその質問肢はアメリカの1/10くらいです。
アメリカのボーディングスクール、生徒の多様性に対処するという点でも、かなり進んでいると思います。
注1:ハチ刺傷、食物アレルギーなどによるアナフィラキシーに対する緊急補助治療に使用される医薬品。 アナフィラキシーを起こす可能性の高い患者が常備することで、発症の際に医療機関へ搬送されるまでの症状悪化防止に役立っている。

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