#2 Phillips Exeter元校長の日本公演
<土曜日のブログに続きます>
アメリカの大学入試について、Phillips Exeter Academyのもと校長、Thomas E. Hassan氏による日本での講演について再度、要点を整理したいと思います。
アメリカの難関大学に合格するための要素:
・優良な学業成績
・SATでの高得点
・(留学生の場合は)TOEFLの高得点
・学業外での顕著な実績(スポーツ、音楽、芸術など)
・十分な社会性(誠実さ、協調性、思いやりの心)
優良な成績についてボーディングスクールを例にとり考えてみます。成績評価の基準がボーディングスクールでは、公開されています。定期試験の結果、宿題の出来栄え、授業への参加度、努力度など評価の配分も決められています。すなわち、純然たる絶対評価なのです。誰でも基準を達成できれば、最高成績のAを取ることができます。ボーディングスクールのみならず、欧米の教育においては、相対評価というのは決して一般的ではありません。
アメリカでの中等教育の評価基準では、Bが平均的な成績の中心で、Cは日本でいうところの2ではないかと思います。DおよびFは問題外の成績といえます。
もちろん成績評価はそれぞれの学校でそれぞれの教科を担当する先生が決めるものですから、その学校の学習レベルによってAという評価でも相当なばらつきがあります。それを客観的に評価するためにSATという英語、数学、作文の知識と技能を問う試験があります。
この試験が日本の大学入試におけるセンター試験と異なる点は、誰でも何回でもSATは受けることができて、自分のベストスコアを出願先に提出できることです。1年に1度だけではないのです。
今までに何度かブログでご紹介しましたが、アメリカのボーディングスクールでは驚くほどにSAT対策がなされません。日本の難関高校が受験対策に多くの時間を割くのと好対照であると思います。
SATという試験は、ある一定の知識があれば誰でも高得点を獲得することができます。ですから、ボーディングスクールで毎日、多岐にわたる分野で多くの文献や資料などを読まされていて、また、書かされている生徒たちは、SAT専用の勉強をしなくても、既存の知識や技術で高得点を獲得できてしまうのです。
優良な成績もSATでの高得点もアメリカの難関大学に出願する生徒たちにとっては、特別に難しいことではないということが言えると思います。
つづく