子供が留学中に孤独を感じたら? 留学あるあるに対する対処法

Greenが国のシンボルカラー・アイルランドはダブリン。緑豊かなアイルランド最大の都市。
G7,サミットが行われるタイミングとなるといつも話題になるのが、
日本の首相が集合写真での立ち位置や他の国の代表たちが談笑する中で居心地が悪そうに一人でいる姿だったりします。
一国の代表ですから、こんな場面で堂々としてもらいたい、できれば輪の中心で談笑をしてもらいたいと、期待をするのは国民からすれば自然なことでしょう。
一方で自分自身が同じ立場に立った時に、それができるか?と問われれば多国籍の環境であれば特に、「自信を持って出来ます!」と答えられる人の方が少ないと思います。
立食パーティー的なセットアップに出会う機会も少なければ、さらに英語コミュニケーションも加わりその難易ではとても高くなるでしょう。これは日本人ならではの悩みと言えるかもしれません。
私も生粋の日本人ではありますし、決してパーティー好きで社交的な人間ではありませんが、お話をするのは好きな方なので、大使館のイベントなどでは結構、ズカズカと初対面の人たちのテーブルに入っていきます。しかしながら、昔からそうだったわけではありません。私も苦労をして苦手意識を持つことも多々ありました。
転機になったのは、前職でアイルランド商務庁の方のご厚意で、一人でアイルランド視察に行った時でしょうか。もう10年以上の前の話になりますが、その頃の私は、国単位での新しい留学先の開拓をしていました。通常は日本からグループでいく事が多いですが、この時は特別に取り計らっていただいての事で、私一人での渡航となりました。
ちょうど、アイルランドの留学イベントの開催に合わせて日程を組んでもらっていたので、旅程中の2日間はそのイベントに参加をすることになり、いろいろな学校や教育機関の方々との交流を深めたことを今でも鮮明に覚えています。
このようなイベントにおいてはイベント後の夜の時間帯にパーティーが行われる事が一般的ですが、この時もパーティーが行われ、そこに私も招待をされていました。アイルランドのゴールウェイ、多分あまり馴染みのない地名でしょう。私も街を歩いていても、その頃はまるで日本の田舎を歩いている外国人のように、珍しがられていました。
もちろん、パーティー会場では日本人は私一人、アジアからも参加者も見当たりません。そもそもヨーロッパ向けのイベントであったことを後で知らされたため!、誰も日本からの参加者を期待していませんでした。結果、知り合いも一人もいない、共通の話題も乏しい、圧倒的なアウェイ感の中で立食パーティーがスタートしました。
結論から言うと、あっという間の2時間、とても楽しいひと時となりました。そしてそこでの経験が、その後に何度も出くわす立食パーティーに対する苦手意識を払拭してくれることにとても役立ちました。
あの場では必死でしたが、改めて振り返ると、こんなことだったと思います。
・日本人という貴重な立場を最大限活かす。
その時、周りはアイルランド人ばかりです。彼らと私の大きな違いは私が日本人であること。彼らの知らない、興味を持ちそうな話題を提供すると、彼らは喜んで耳を傾けてくれました。この話題であれば、さほど難しく考える事なく、いろいろな話題が出てきました。
・自分の得意な想定内の分野に話の方向性を持っていく。
実は、私はアイルランド訛りの英語をこんなにも集中して聞く機会はあの時を除いて今でもありません。そして彼らのアイルランド特有の話題にでも話が行ってしまったら、私は慣れない英語や独特の言い回しに付いていけずに、多分一人取り残されていたことでしょう。
そこで私は、日本人であるという貴重さを最大限に活かしことに加えて、私の得意分野である留学ビジネスに特化したお話で話を盛り上げるように、うまく会話の方向性をコントロールしました。コントロールというと一見、難易度は高いですが、要は上手く、相手に自分に都合の良い方向性の質問をすることで、相手の回答を自分の想定内の話に持っていくようにします。お互いの国の教育制度の比較、留学ビジネス事情の比較、などであれば、話題の内容はほぼ全てが想定内です。
・相手の「伝えたい!」という気持ちを呼び起こす。
加えて、私自身がアイルランド訪問が初であり、アイルランドについては、全くの無知であること、その弱みについてもオープンにすることで、彼らの「一生懸命伝えたい気持ち」に火をつけました。
ここでのトリックは実はある程度、アイルランドの研究はしていましたから、基礎的な情報については一通り把握していました。だからと言って、彼らの直接聞いてはいけないというルールはありません、知りたいという姿勢を見せれば彼らは喜んで話してくれました。
結果、私の周りには一際大きな輪が出来て、孤独とは程遠い充実した時間を過ごす事が出来ました。
自分の得意分野の範囲(会話のコントロール)✖️相手が興味を持つ話題(希少性)✖️相手が気持ちよく話したくなる話題(ホスピタリティ)
この3つの要素を組み合わせるとどのような場面においても、ある程度自分の周りに輪を作る事が出来ます。
このスキルは日本人というバックグラウンドとメンタリティを持った人であれば、年齢に関わらず有効な手段だと思います。
私があえて10年以上前のアイルランドでの私自身の経験を元に書いている理由。それは、実はこのスキル、孤独感に悩まされる留学生にとっても有効化手段だからです。
続く。

ダブリンではストリートミュージシャンが至る所で重い思いのスタイルで自分を表現していました。