「どこへ行くか」より、 心が動くかどうか。サマープログラムを今後に活かすためのヒント。
Eコンシェルジュのコンサルタント編集部です。
GW連休が明け、今年も多くの方から夏休みの短期留学についてお問い合わせをいただきました。今日は、生徒や親御さんたちとのコミュニケーションを通して、私なりの「サマープログラムの選び方」についてのベースとなる考え方について書いていきます。少しお付き合いください。
プログラム選びの基準とは?
ボーディングスクール留学に興味を持つご家庭であれば、その登竜門として「サマープログラム」、日本国内においても多くの関心が寄せられているワードとして「短期研修」など、各学年の成長過程、目的、英語力に応じた様々な短期留学プログラムが存在しています。昔に比べると、本当に選択肢が増えました。
選択肢が多い分、「どのプログラムが自分に合っているのだろう」と迷う子どもも多いですし、保護者にとっては授業内容はもちろん、限られた機会の中で子どもにとってベストのプログラムを選んであげたいという切実な悩み相談を受けています。
「英語力を伸ばしたい」「将来の進路に繋げたい」「海外の高校進学を考えたい」——こうした目的はとても大切です。多くのプログラムは、長年の教育的な意図のもとで設計されて、そのテーマは興味深いものばかりです。異文化理解、多様性、リーダーシップ、課題解決力——どれもこれからの時代に必要な学びです。
だからこそ、まずそのプログラムが何を目的としているのかを理解し、自分がそこで何を得られるのかを考えることは重要です。
それは——「子どもの内なる好奇心が動くかどうか?」です。
「なんか面白そう」子どもの心の内から湧き出てくるこの気持ちに、親御さんもぜひ、耳を傾けてください。
「なんか面白そう」
「その国に行ってみたい」
「知らない人と話してみたい」
「自分の知らない景色を見てみたい」
「この学校で将来的に留学をしたい」
興味の方向は子ども一人一人違います。実は、その感覚こそが、プログラムを通してのその子の成長におけるキーとなります。
極論、何も海外にこだわる必要はないとも思っています。海外だから偉い、国内だから意味が薄い、そんな単純な話ではありません。場所はどこだっていい。北海道でも、沖縄でも、離島でも、今の住まいの近所だって良いわけです。重要なことは子供の好奇心を揺り動かしてくれる環境があることです。それが立派な”学び”になります。
大切なのは「どこへ行くか」より、「そこで子供自身の心が動くかどうか」。
海外研修という名前がついていても、受け身で参加して終わるなら、それはただのイベントになってしまいます。逆に、国内の近所で開催されるような小さなサマーキャンプでも、「もっと知りたい」「もっと挑戦したい」と思えるなら、その経験は人生を変える力を持っています。
プログラムは参加をする事に意味にがあるのではありません、「自分はまだ知らない世界を見てみたいと思える人間なんだ」「もっともっと知りたい!」という気持ちに気付けること——その気づきのほうが、その後の人生に長く影響することがあります。
中学3年の夏、ヒッチハイクで北海道へ
ここで、私自身の体験についてお話をしたいと思います。好奇心を一番の原動力に、中学3年生の夏休み、福岡から北海道まで、友達と3人でヒッチハイク(計15台)で旅に出ました。今、私自身が子を持つ親になって思い返すと、よくあの時、両親が背中を押してくれたと思います。
- 札幌に着いてから、農協に電話してボランティアできる牧場を紹介してもらった
- 南千歳の「箱根牧場」さんに、縁あって働かせていただくことになった
- 北海道大学の大学生と住み込みで、早朝の搾乳・牛の管理・だいこん収穫を経験
- お兄さん・お姉さんたちと一緒に過ごした日々は、本当に充実していた
正直に言うと、当時の私には「キャリア形成」も「グローバル人材育成」という言葉もありませんでした。ただ「知らない世界を見てみたい」「自分で旅をしてみたい」という気持ちだけでした。
でも今振り返ると、あの経験が私の価値観や人生の土台を作ってくれたと思っています。知らない土地へ行き、初めて会う人たちと生活をし、自分の常識が通用しない環境に飛び込む——その経験は、海外研修にも通じるものがあります。あの時の私は間違いなく、内なる”好奇心”が原動力になってました。そして今でもあの頃の思い出は鮮明に残り、私のその後の海外留学をするに至るまでの人生に影響を与える原体験となっているわけです。
「”自分で決めた事”だからこその学び」、「行けて当たり前」ではない貴重な体験
今の時代、素晴らしいサマーキャンプや研修がたくさんあります。安全面も整備され、食事も環境も安心で、内容もよく設計されています。それは本当にありがたいことです。
でも一方で、そういうプログラムの多くは、「ある程度、お金があること」が前提で成り立っている部分もあります。だからこそ、子どもたちには「参加できて当たり前」とは思ってほしくないとも感じています。
行きたくても行けない人もいる。本当は挑戦したいけど、家庭の事情で難しい人もいる。
だからこそ、「この機会を与えられた幸運をどう活かすか?」と考えることが大切です。お金がない。でも、どうにかして自分の好奇心を満たしたい——そう考え始めた時、私の中で湧き上がる純粋な好奇心が、あの頃の自分がまだ知らない行動力を発揮してくれました。アルバイトをするかもしれない。地域のボランティアを探すかもしれない。あの頃の自分の「足りないもの」に対するリアクションが時として、突拍子もないアイデアに、自分だけの冒険に変ったという経験を、子ども達にも伝えたいと思います。
「全部用意されていたもの」より、「自分で掴みにいったもの」のほうが、今でも鮮明に覚えています。
自らの好奇心に耳を傾けて、自らアクションを起こした子は「強い」ということ。
もちろん、親のサポートは特にこの年代の子供達には必須です。でも、その支えを”当たり前”だと思わず、「自分は何をしたいのか」「自分は何を見たいのか」を、自分自身の言葉で語れる、家族と共有できる子供になってほしいと思います。
たとえ小さな一歩でも、自分で考え、主体的にアクションを起こすことで得た経験は、誰かに与えられた経験より、ずっと深くその子の中に残ります。さらにはそこでの学びは長期的に、ポジティブに作用する事も多くのアカデミックリサーチでも証明されている、純然たる事実なのです。
「正解のプログラム」を探しすぎなくてもいい。安全性や内容の確認は大前提として、「自分は、この体験にワクワクするか」という感覚を、ぜひ大事にした欲しいと思っています。
我々はお子様、親御さんとの対話を通して、プログラムを選ぶ前段階の「何を得たいのか?」「何が、その子に響くのか?」、お子様の「好奇心」を刺激するトリガーを意識したサマーの過ごし方を提案しています。留学の第一歩であるサマープログラムで迷っている、選ぶ基準がわからない、などなど、アドバイスを必要としているのであれば、我々にお声がけください。
サマープログラムは、単なる「英語の勉強」でも「用意された冒険」でもありません。
まだ見ぬ自分を知るための冒険なのかもしれません。




