留学コンシェルジュ

年々難しくなる日本の受験と 留学の関連性とは?  Vol.1

最近のネットのニュースで気になるニュースがありました。

【「いったい、どのような入試が望ましいのか」中学受験、議論を呼ぶ問題の難化スパイラル】https://news.yahoo.co.jp/articles/c6d8ab21e32568a6a58c978bde58e4b77ec7fb75?page=5

今回はこの記事のポイントは以下のとおりです。

・受験熱が盛り上がり、競争率が上がる事で入試問題はその学力を図るためのツールとして難易度が上がり、それに伴ってその対策をする塾の対策も高度化し、結果として子供達の勉強量が増える、そしてそれがさらなる受験熱の盛り上がりに火をつけるという内容です。まさしく、難化スパイラルですね。

結果的に、子供の受験のために費やす勉強量はその親の時代に比べると単純に3倍にもなるとの事。

子供には勉強時間を制限するための労働基準法的な法律が無いですから、その勉強時間はこれからも難化スパイラルと共に増えていく事は容易に想像できます。このスパイラルの中で子供たちはどれだけ受験準備のために限られた時間を費やすことになるのでしょうか。

日本の受験については一概に良い悪いの判断はできないと思います(一言で言い表せる程単純なものではありません)。子供達が同じ環境、同じ条件で(少なくとも受験当日だけに焦点を当てれば)学力を相対的に競い合い、上位の子供達から順番に合格させていくというシステムは競争原理においてはとてもフェアなシステムとも言えます。同時に子供達の一つの側面にのみ焦点を当てた、この単純明快なシステムは難化する以外に差別化、進化の方法がない点において、子供達に対する負担が絶対的に増えていくシステムであるとも言えます。

私の個人的な見解としては、このスパイラルについても100%悪者とは言えないと考えています、なぜならばこのスパイラルにおいて「個」を発揮することができる子が少なからずいるから。子供が自信を持つひとつの機会として存在するこのシステム自体は意義がある事だと考えています。

この受験戦争を通して自分の学力の向上と精神的な成長を感じられる生徒にとっては難化スパイラルは新しいチャレンジとして喜ばしいことかもしれないし、自己の学力をフェアな場でより際立たせてくれる素晴らしいステージかもしれません。現に塾でのテストやクラス分けに並々ならぬ闘志・情熱を燃やしている子をたくさん知っています。

一方で、アカデミックな視点、視点をグローバルに移してみると受験の難化が必ずしも本当の意味での「教育・エデュケーション」とは結びつかない可能性もしっかりと認識する必要があるように感じます。 受験の難化が選抜のための手段になり、本来の勉強に意義を蔑ろにしてしまっては本末転倒です。本来手段であったものが目的化してしまうのは日本においては枚挙にいとまがありませんが受験もその一つになってしまう事を危惧しています。

この話になるといつも思い出すことがあります。

これは私が留学に関わるようになってからの出来事です。日本の企業において、ある英語試験の高スコア信仰が今よりもずっと強かった頃、アメリカの大学の社会人プログラムがその試験スコアを英語評価基準から外すという通達がありました。その理由はとても単純で、「英語スコアと授業でのパフォーマンスが伴っていないから」。真っ当な理由で言い返す言葉が当時は見当たりませんでした。これは多くの日本人にとっては耳の痛い問題だと思います。

多くの日本人にとってテストのスコアメイクが最終目的となっている状況で、海外の大学からはパフォーマンスの伴わないスコアについて「NO」を明確に突きつけられた経験として衝撃的でした。大学が求めているのはパフォーマンスを図る基準としてのスコアであり、スコア自体に価値を求めているわけではないという明確な意思表示でした。私自身にとっても、本来あるべきエデュケーションの在り方を考え直すとても良い機会になりました。

※補足をするとその試験が決してダメわけではなく、その試験はカジュアルすぎる英語コミュニケーションから脱却し、ビジネス的な英語を学習することでよりプロフェッショナルな英語を身につける意味でとても有用であると今でも考えています。

話を戻します。繰り返しますが私の見解としては、先述したとおり、難化スパイラルもスコアメイキングも悪者ではありません。受験で結果を残す事、スコアメイクをするために必要なコミットメント、タイムマネジメント、継続的なモチベーションの維持のための強固な志は、それ以外の分野の勉強や仕事にも転用ができるスキルなので、それらの能力に長けている人が評価されることは正しい。そして、幸運にも日本においてはテストスコアで自らの能力を表現できる特性は、評価をされやすいので、上記のような適性がある生徒にとっては将来の可能性の広がるシステムとさえ言えます。

しかしながら、そうで無い生徒達にとっては、この単一的なシステムにおいては自分の可能性の数%も表現できない可能性があるという事も認識する必要性を感じます。

事実、私のところへ相談に来る親御さん、生徒の約半数はそのような悩みを抱えて私のオフィスに駆け込んで来ます。

次回に続く→

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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