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#7 ジュニアボーディングスクールの数について 

<前日のブログに続きます>
読み書きを中心としたリベラルアーツ教育の原型を作るのがジュニアボーディングスクールで、そこからボーディングスクール(高校)、そして大学と進むにつれて、学習範囲と内容が拡大されていきます。
受験方式も中学、高校、大学とその基本形は変わらないので、ジュニアボーディングスクールに入学することが、大学までの教育のひとつの道筋となっていると思います。それならば、テンスクールズやその次のランク4の学校群に進学するために、多くのジュニアボーディングスクールがあるように思いますが、300校あまりのTABS(The Association of Boarding Schools)加盟校のなかでも9年生までのボーディング(寮)施設を持つ学校は20校もないのです。
私はテンスクールズが後期中等教育では世界最高峰と思っていますが、そこに至る準備をすることに重点を置いたジュニアボーディングスクールの数が意外と少ないことに驚きます。
余談になりますが、イギリスはアメリカに比べるとジュニアボーディングスクールの数は多いのですが、そこで学ぶ生徒は、親が海外にいる場合もかなりあるようです。アメリカの場合、ビジネスマンは、海外に長期で出張するとき、単身で行くことはあっても、子どもを自国の学校に預けて、夫婦が海外に行くケースはおそらくとても少ないと思います。
東京にはいくつかのインターナショナルスクールがありますが、それらのほとんどの学校での教育方式はアメリカ系です。すなわち、アメリカ人が海外で仕事をする場合、わが子は寮のある自国の学校に預けるよりも、家族と共に現地に行き、そこで学校を作るという発想をするのではないかと思います。
この傾向はすなわち、それぞれの国が発展した時の事情を反映していないでしょうか。
かつて世界を支配したイギリスは、多くの地域に植民地を作りました。そこで仕事をする人たちは、おそらく現地での治安の問題、教育的環境などを考えると、初等、中等教育段階にある子どもたちがあれば、彼らを連れて行くよりも母国で適切な教育を受けさせるのがいいと考えたに違いありません。したがって、イギリスにおいては、小学校からの寮制を整えた学校がアメリカよりもはるかに多くあります。
一方、アメリカは国としての年齢はイギリスよりもはるかに若く、その形成段階で西へ西へと開拓線を拡げていくなかで、家族は一つのユニットと考えられて、どんな劣悪な環境であっても、家族が別々に暮らすという発想がなかったのだと思います。
つづく

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