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♯2 教育の多様性-於ペンシルバニア州

日本では、日常における生活の価値観や基本習慣などは、初等、
中等教育のなかに組み込まれているとはいえないと思います。
それは、家庭教育のなかで培われるべきで、
学校としての機能と役割の範疇にはないように思います。
ボーディングスクールの教育においては、
学校生活の基本姿勢はとても重視されています。
尊敬、誠実、正直、挑戦、好奇心など、文字通りボーディングスクールの
教育の根幹をなすものと言えます。
先生に対する不敬な態度や発言は、一度は注意で済まされても、
2度目は、謹慎や停学を含む処罰の対象となります。
作文、課題のコピーペーストもボーディングスクールではもちろん許されません。
このような教育の基本姿勢が100年以上に渡って遵守されています。
その伝統がボーディングスクールのレガシーとして、親の卒業校への子の入学が
優遇されるのではないでしょうか。
単に入学にふさわしい学力の持ち主というよりも、
価値観こそが、親から子に継承されるべき
ボーディングスクールの徽章だと私は確信しています。
さて、教育の多様性については、ボーディングスクール教育を考える時、
必須概念として欠かせませんが、果たして、日本の教育の多様性については
これからどのような見通しがあるのでしょうか。
アメリカ、ボーディングスクールに比べて、日本の教育の多様化が
目覚ましく発展しないのは、そもそもその必要性や危機感について、
教育を受ける側も与える側もそれほどまでに感じていない
という現実があるからではないでしょうか。
個人よりも団体を重んじ、その組織の意のままに生きるという
価値観は、グローバル化の影響で変化しつつあるとはいえ、
初等、中等教育の世界にまで大きな影響を及ぼすには至っていません。
その一方で、多くの人たちが、日本の将来に対して、
楽観視よりもむしろ悲観視しているのが現状です。
教育の多様化を取り込む具体的な方法は、
個人が新たなことに挑戦することから始められると思います。
その挑戦は、ただひたすら暗記する教育的挑戦ではなく、むしろ
暗記や記憶に頼らない考える教育への挑戦であるべきではなかいと思います。
そのために10代のなるべく早い時期に異文化を単身でまとまった期間、
経験することが、それぞれの人の将来の大きな鍵を握ると私は信じています。
ボーディングスクールへの旅が続いています。
アメリカ、東海岸地方も朝晩、めっきり寒くなりました。
吐く息が白くなる日もすぐやって来るでしょう。

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