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健さん逝く

日曜日、出張を終えて帰国すると家内から「健さんが逝ったのよ」と聞かされました。
昭和の映画時代、一世を風靡した健さんの訃報に天を仰ぎます。
NHKの健さんの特集番組が勤労感謝の日の朝に再放送されました。
遺作となった「あなたへ」という映画のために長崎県、平戸市での撮影シーンが
たくさん紹介されていました。
健さんは平戸市を遠望して、毎日墓前に供えられる花を指さし、
「外国を受け入れざるを得なかったこの町に、悲しさ、寂しさを感じる」
と言っていました。
役に徹し、役を演じるために、健さんは舞台となる町を研究したのでしょう。
丘にある墓地の花が毎日替えられるのは、漁師の人たちが新たな気持ちで
漁に出かけるためだと解説されていました。
健さんは、平戸にある教会を見て、「立派な建物」と称賛していました。
そのシーンをテレビで見ていて、アメリカニューイングランド地方の旅から
帰ったばかりの私は、
「健さん、ぜひマサチューセッツやコネチカット、そしてその周辺の州もぜひ旅してください」と彼の一ファンとしてつぶやきました。
映画で身を立て、名をあげ、押しも押されもせぬ当代一の役者となった健さん。
東映のやくざ路線を歩み、独立して果敢にさまざまな分野の映画に挑戦し、
生涯に205本の作品を残しました。
彼の役柄に徹する姿勢は、彼の人生そのものであり、役への責任と、
その使命を全うする考え方に私は感銘を受けました。
「健さん、アメリカのニューイングランドには、どんな小さな町でも、必ず高い尖塔を持つ教会があります。それらの創立はおそらく日本の歴史でいえば江戸時代にまでさかのぼります。彼らの国の成り立ちのなかで、教会の果たす役割が重要だったことが解ります。そして、教会がそれぞれの地域の住民たちの精神のよりどころであることもうかがい知れます。健さん、次の作品を演じるときに、このような欧米社会の一面、ご参考にしていただければとても嬉しく思います。」
健さんの仕事への取り組みも、コンサルタントのそれぞれの専門分野への取り組みも
プロフェッショナルという視点からすれば同じです。
一つひとつ、引き受けた仕事が作品です。
作品である以上、妥協があってはならないと思います。
また、自分が納得するまで、作品の背景や成り立ちも研究すべきです。
健さんの精神から私は学ぶことがたくさんありました。
なんでもないシーンを取るにも、彼がこころという目に見えない人の力を
駆使して、どれだけのエネルギーを費やしているかを考えると、
その精神の広野は、宇宙の拡がりがあると思います。
良い仕事をもって、これからも自分を少しでも成長させたいと思います。
「健さん、ありがとうございました」

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