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その4 留学の必要性

<前日のブログに続きます>
ボーディングスクールでは驚くほどのスピードで先生やスタッフが入れ替わっていきます。それが欧米における仕事の常識なのでしょうが、職員の移動が比較的少ない日本の学校の現状からすると、日本からの留学生には先生の交代がとても奇異に映るようです。
「転がる石には苔はつかない」ということわざが英語圏にはありますが、まさに「苔のむすまで」という日本の考え方とは対極をなすものと言えます。
余談ですが、私の行っていた日本の公立高校で地学の時間、先生が冬の星座、射手座のところで、「矢にさされた~が、イテーという」という冗談を言って生徒を笑わせます。なぜ生徒が笑うかというと、冗談がおもしろいのではなく、先輩たちから「地学の先生のイテー」の話を聞かされていて、「出た、出た」といって面白がって笑うのでした。
同じことの繰り返しが日本の学校の慣習なのかもしれませんが、英語圏の学校をたくさん見ている私にとっては、日本と海外の学校とその組織のギャップはとても大きく感じられるのです。先生方も英語圏ではどんどん学校を移っていきます。「石の上にも三年」と日本では言われますが、4年目は他に移るのが英語圏の当たり前です。現状に不満であるわけではなく、新たな条件、たとえば昇給、新たな場所、先生の家族構成の変化などに合わせて、仕事をする場も変化させていくというのが英語圏の考え方です。
日本からの生徒たちは、ボーディングスクールで複数年学ぶことによって、人の移動の激しさを実感します。そして、それを次第に違和感なく受け入れられるようになっていきます。もちろん、出る人がいるから、入ってくる人もいるわけです。入ってくる人の中には、必ず一人や二人はその学校の卒業生がいます。ボーディングスクールのスタッフの名刺には二けたの数字が入っているものがあります。この数字は、その人のその学校の卒業年を表しています。それが習慣となっているので、二けた数字の説明は名刺には一切ありません。
仕事をどんどん変えていくのが、英語圏の慣習として定着しているなかで、母校に戻り、そこで転職が止まるという先生やスタッフもいます。日本からの留学生にとっては、異文化社会を知るうえで、ボーディングスクールはこのうえない実践学習の場であると思います。
つづく

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