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ハーバードに行かせよう―その9

英語を読むのに必要な文法知識は1週間の集中講義で勉強しましたが、その知識を実践応用して、英語の小説を読むとなると、明確な問題点が露見しました。
覚えた英語文法の知識を応用することができません。現在完了形のところで説明した過去とその前の過去(大過去)、なぜ過去完了形が使われるかということを、文法学習で説明したときは、英語の時制の捉え方と日本のそれとの違いにしきりに感心していた彼ですが、過去完了形そのものを忘れてしまったようです。代名詞もそれらが何を指しているか明確にわからず、「それ」、「かれら」などとわからずに進んでしまいますから、ストーリーが追えなくなってしまいます。
「やはり、まだ英語で小説を読むのは無理なのだろうか・・・」私も不安がよぎります。しかし、ここで諦めるわけにはいきません。英語でストーリーを追うのが難しいのは当たり前のです。まだ、英語に熟達しているわけではないのですから。では、どうしたらいいか、そこで思いついたのが、原典の日本語版を探すことでした。
幸いにもそれは、洋書の丸善にありました。昼休みの時間に、彼は日本橋まで行って翻訳、「縞模様のパジャマの少年」を手に入れてきました。
訳本があるので、自力学習のスピードが上がりました。解らない所は訳本に照らし合わせれば、解ります。さらには、英語表現では、代名詞であっても、日本語にそれを直すと、代名詞ではなく、その指示するものにおおよそが変わっているのです。すなわち、日本語と英語の文字表現では、そのような違いがあるということになります。
ボーディングスクールで夏の課題図書となる本は、英語圏でも良く読まれているベストセラーや古典的名作がほとんどです。すなわち、おおよその本は日本語訳があり、なかには映画化されたものもあります。英文だけの情報でなく、日本語や映像まであるとなれば、本人ややる気になれば、複数のリソース(資料、情報)にアプローチが可能なわけです。
今回の英語学習では、さらに大きな発見がありました。主人公の中学1年の留学生はそれまで勉強の習慣は身についていたものの読書に関してはあまり関心がなかったのですが、「縞模様のパジャマの少年」を日本語で読み、面白かったので、その日のうちに半分ほど読み終えました。
つづく

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