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日曜コラム 七夕と願いごと

図書館に行くと入り口に七夕にちなんで葉竹が置いてあり、
たくさんの短冊がそこに釣り下がっていました。
子どもたちが彼らの願いを込めて短冊を書くわけですが、
その短いメッセージはとても興味深いものです。
・かぞくみんながけんこうでありますように
・字がじょうずになりますように
・ウルトラマンになれますように
・~が元気になりますように
・べんきょうができますように
・おかあさんいつもありがとう
「字がじょうずになりますように」という短冊を書いた人は、
その願いがすでに達成されたような達筆でした。
「ウルトラマンになれますように」という子どもの字は、
ウルトラマンの部分がとてもバランスよくすわりがよいもので、
その精神がいつか必ず発揮できると思いました。
思い続けることが大切なのではないかと思います。
それが、おのずとその方向に意識も体も向かせるのではないかと思います。
願いごとの習慣が日本では定着していると思います。
日本中どこにでも神社があり、良くメンテナンスされていると思います。
ひと昔以上、前の話ですが、
大阪駅からほど近いお初天神で友人と待ち合わせした時、
そこにお参りに来たおばあちゃんに遭遇しました。
彼女は神社の鈴をゆっくりと鳴らし、腰を90度近く折り、
社殿に向かって、ふわっと、礼を2度繰り返し、
2拍手をして、さらに一礼するその身のこなしがとても印象的でした。
たぶん、この人にとって、お初天神にお参りすることは、日課だったと思います。
特別に何を願うというのではなく、感謝の意を表しているのかもしれません。
あるいは、それが生活のアクセントになっているのかもしれません。
日々のことがらを社殿に向かって報告したり、感謝したり、反省したりすることが、
彼女の日常のなかで必然なのかもしれません。
私がお世話している生徒たちも、異文化のなかの日常で好むと好まざるとに
かかわらず、ある一定の方向に向かっているように思えます。
「たくましく生きる」ということを彼らは無意識のうちに
身につけるのではないでしょうか。神社や祈りの対象は彼らにとってありませんが、
もし、ボーディングスクールにタナバタのための葉竹があれば、
彼らの願いごとと生活は「一致しまいか」と思います。
まっさらなこころのカンバスに何でも書ける子どもたち。
もちろん、他人が書くのではなく、彼らが配色し、配列し、デザインし書き込みます。
彼らの「願い」が世界を浸潤していくという「願い」をこめて、
この仕事を続けていきたいと思います。

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