日本語の作文について
英語作文の書き方の基本が前日のブログのテーマでした。今日は、英語と対比した日本語の作文について考えてみたいと思います。
日本語の作文については、起承転結、序論、本論、結論などがその書き方の基本と言われていますが、小学校レベルでは、作文はどのように指導されているのでしょうか。留学を目指している中学生に「日本語で」作文をさせると、何が言いたいのかわからないというのが、残念ながら率直な私の感想です。
いっそのこと、起承転結とか、序論、本論、結論などとあいまいな言葉や表現でなく、言いたいことを一番先に述べて、その理由を展開させたほうが、よほど説得力のある文章を書けると思いますし、社会に出てからは、そうでないと務まりません。
英語圏では、作文においては、トピックセンテンス(言いたいこと)、サポーティング・ディテール(理由)ということを繰り返して小学校から高校までで学習しています。
作文が大切にされていることは、TOEFLでもSATでも作文が出題されるようになったことからも理解できます。しかし、日本ではセンター試験に作文というセクションはないと思います。
日本語の作文に話を戻せば、小論文などと呼ばれるテストでの課題においては、結局知識が先行していて、現代の社会、時事問題をなるべく多く吸収して、その知識を根拠に起承転結や序論、本論、結論を構成するという指導が行われているのでしょうが、「自分がどう考えるか」という基礎的なことが無視されているとは言えないでしょうか。もし、作文までもが、試験の対策としてその書き方が幼少のころから指導され、教育されているとすれば、果たして核となる「自分」はどこに見出せばいいのかと思います。
これからの日本の社会は、自己表現がより重んじられるようになると私は思います。そして、コミュニケーション力もかつてないほどに重視されると言われています。
であるならば、文章による表現も全く同様に変化しても良いのではないかと思います。
ある著名な経営コンサルタントの方が、本を書くときに、「私」を入れないで書くとよく売れると言っていました。それは、「和」の文化を象徴しているのかもしれませんが、作文においては、わたしを強調したほうが、これからの時代には受け入れられるとともに、個人の伸びも期待できるのではないかと思います。