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英語の受け身教育の背景

昨日のブログの題名とは内容がそれてしまうのですが、受け身的な英語学習の背景について考えてみたく思います。なぜ日本の英語教育は解釈、理解については、徹底して合理的な学習方法を生み出したにも関わらず、自分の意見を表現するという方法については、無頓着といえるほどに力をいれなかったのかということについてです。
その理由は、明治時代からの教育に端を発していると思います。すべては、欧米の文化や技術、そして知識を取り込むことから明治の学問は始まったわけです。
その後、日本は大戦に敗れ、経済的どん底を体験し、それまで築いてきたもののほとんどを失います。さらに、敗戦の責任が追及され、本来、すなおでまじめ、そして勤勉な日本人は、とても謙虚に敗戦を受け入れました。
このような社会的背景のなかで、自己主張を論理的、体系的に学ぶということは、学識者の人たちも思いつかなかったことではないでしょうか。明治時代から積極的に欧米の文化、文明を吸収して、それらを自国の文化に合うように変化させ、さらに良いものを生み出して、世界に貢献してきた日本ですが、それに対する自己主張というのが、欧米に比べると驚くほど少ないと思います。その結果、エコノミックアニマルなどと揶揄されたわけですが、大戦後に世界で認められる商品を創り出す過程で、どれほど日本人が我慢と苦労をしたことでしょうか。そして、どれほどの人々が寝食も忘れるほどに努力を重ねたことでしょうか。
英語学習についていえば、日本の中学校、高校で学ぶ英語とは、結局のところ文字で書かれたものを読めるようになるための体系ではないかと思います。しかし、自分を表現することの学習は、明治からいままで、一向に成長していません。というよりも、考えられていないのです。だから、中学校2年生で英検2級を合格する生徒に「あなたの好きなことは何ですか」と英語で質問しても、当たり前の答えは返ってこなく、さらには、その答えを書かせても、驚くほどに語順が出鱈目で、前置詞の使い方もちぐはぐということになってしまいます。
優秀な学習者諸君が、教えられていないがゆえに、基礎的な自己表現ができないことは、とても残念に思います。しかし、本来が勤勉で真面目な日本人ですから、英語で自己表現をすることを学びさえすれば、すぐにできるようになると思いますし、これからは、そのような英語学習をすることが求められると思います。
つづく

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