子どもたちの生きる力 ― ジュニアボーディングスクール留学
7年生(中学1年生)として留学してから1か月半、ボーディングスクールの生活にどんどん溶け込んでいるある生徒のお母さんからとてもユニークな情報をいただきました。
「もー、私はとっても驚いているんです」
―どんなことにですか。
「(息子が)靴をはいたまま、寝ちゃうというんですよ。それだけではありません。寮に入ってから、それほど洗濯もしていないというんです。じゃあ、シーツはどうなっているの・・・。私はそれを聞いただけで、めまいがして、倒れそうになりました」
―それは大変です
「日本にいた時は、学校から帰ったら、必ず手を洗って、うがいをしっかりさせていたのですが、留学先では手も洗っていないし、うがいもしていないようです。でも、インフルエンザで学校が休みになることもない・・・。たぶん、歯もきちんと磨いていないかもしれません。」
―そうでしょうね
「それでも、(息子は)楽しくやっています。病気にもなっていません」
―以前に日本の中学生、20人くらいをアメリカ、ペンシルバニア州のアーミッシュ村に連れて行った時も、大きな農家で食事をしたのですが、手を洗うところがなくて難渋しました。アーミッシュの人たちは、電気なし、車なし、電話なし、もちろんガスもない。いわば200年以上前の生活をしている人たちです。日本からの子どもたちもその生活にびっくりしていました。
「(息子を留学に)出して良かったと思います。だって、私の手元においておいたら、今のような体験は一生できなかったでしょうから。私自身の世界も広がったように思います」
―なによりです。子どもたちの生きてい行く力には驚きます。だからこの仕事は楽しいです。
「自分で考え、判断することもできるようになってきたようです」
―学校からの次のレポートが楽しみですね。
異文化のインパクトを感じているのは、留学生本人だけではありません。子どもたちの現実を知れば知るほど、お母さん方もめまいがするほどの衝撃を受けるのが、中学校留学においては現実であると思います。
この親子のインパクトは明確な方向に向かって集約されていきます。それは、新たな環境で「たくましく」生きていくということにほかなりません。何が大事で、何をしなければならないかを、10代半ばまでに完成できれば、親の役割の半分は達成できたことにならないでしょうか。