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留学生の危機管理 - ボーディングスクールでの生活

留学生が渡航して直面する一番の危機は自分の意志をどのようにして、「自分が納得いくかたちで」相手に伝えるか、そして的確な情報収集にまとめられると思います。
留学当初は何かと初体験ですから、生活も意識も不安定極まりない時期です。いままでの常識の多くが日本とは違い、通じません。生活はゼロからのスタートといっても過言ではないでしょう。毎日の洗濯物はどうするのか、土曜日、日曜日はどのように過ごしたらいいのか、朝、昼、晩の食事がまずかったらどうしようなど新しく始まった生活のライフラインの確保から留学生の取り組みが始まります。
日本の団体生活では、そのなかでの「和」が重んじられます。グループが創られた時、自然とそのなかでの経験者や先輩にあたる人は、未経験者や後輩の面倒を見るというのが当然のことになっています。その絆の強さと確かさは日本においては、自明のことがらになっています。そのような環境から、留学生たちはいきなり異文化生活に飛び込むわけですから、常識が変わることへの戸惑いは相当なものであるに違いありません。
とにかく、生活でわからないことがあれば、寮長先生も、フロアの先輩も、そしてルームメイトも「いつでも質問して!」とは言うのですが、今までに、生活について質問などしたことのない生徒たちが、果たして「英語で」的確な質問ができるでしょうか。
このような状況のなかでも、留学生たちは、食べることと、睡眠をとることは自然と学んでいきます。
「質問」は慣れていないので、最小限にとどめられているようです。あまり、頻繁に質問をしても、「受け身」になっていたのでは、逆効果ということに留学生たちは、意外と早い時期に気づきます。
言葉と文化に大きなハンディがある場合、自分が相手にアピールしない限り、相手の好意は期待できないという社会生活の原理に10代の前半の子どもたちが気づくのです。
スポーツ、芸術、音楽などのいわゆる特技が異文化では思わぬところで効果を発揮することを留学生たちは生活の危機管理というテーマのなかで発見します。英語圏の初等中等教育機関において、ボーディングスクールのみならず、主要教科以外のそのような活動が積極的に行われているのは、情操教育はもとより、子どもたちの生きる力を養うということを、教育する側が熟知しているからであると思います。

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