小学・中学・高校留学 70-80年代中等教育機関への留学
<土曜日のブログに続きます」>
今から30-40年前の中等教育機関への留学は、1年間限定のアメリカ公立高校への留学が主流だったことは、先日のブログで述べました。70年代に中学、高校で留学するというのは、今から比べる情報量がとても少なく、当時、ボーディングスクールの情報は皆無でした。
今と違って、インターネットはありませんから、ボーディングスクールでどのような教育が行われているかなどの実態は日本の社会には全く知られていなかったと思います。
当時、日本とアメリカの一般人の生活を比較すると、アメリカのほうがダントツに豊かでした。ドルショック(71年)、オイルショック(79年)でアメリカの経済が下降していくわけですが、戦後ほぼゼロからスタートしたと言っていい日本と比較すれば、アメリカという国の豊かさは、日本の人々には憧れでした。
裕福で強く世界をリードする自負のあったアメリカが作ったのが、高校生交換留学プログラムです。戦争に負けてほとんどのものを失った日本に向けて、高校生を1年間無償で預かり、教育体験をさせるというものです。このプログラムが有効に機能していた90年代の前半あたりまでで、それ以降は日本が経済的に挽回してきたので、あえてアメリカに「お願いして」教育体験をさせてもらわなくても済むようになったのです。
初期の交換留学の参加者は、大変優秀な人たちだったと思います。当時は、ESLが完備している公立高校などなかったでしょうから、参加者はみな自力で工夫しながら英語をマスターしなければいけませんでした。また、ホームステイにしても、良い家庭にあたればいいですが、ボランティアによる受け入れですから、ベビーシッターや留守番役に利用されたり、ホストマザーとうまくやっていけない場合でも、言葉の不自由がある参加者はコーディネーターに正確にホストファミリーでの不満を説明できず、我慢を強いられたケースもたくさんあったと思います。
そのようなハンディを乗り越えて、初期の交換留学に参加した高校生の人たちは日本の英語関連分野で多くの貢献をされたと思います。