日曜コラム Home away from Home
ボーディングスクールを訪問していると頻繁に耳にするのが、
Home away from homeです。「わが家から離れたわが家」という意味ですが、
これからの時代、「ホーム」の大切さがよりクローズアップされると思います。
10代前半の若者にとって、ホームを離れて、なおかつ異文化での生活が
彼らのこころと体にどれだけ負担をかけるか、特にお母さんは心配します。
しかしながら、現状の教育にはとても疑問を感じている。
今までのように、たとえば東大を目指して、幼少のころから勉強させれば、
子どもの人生は満たされるか。もし、それが不可だとすれば、
「一体どんな教育の選択肢があるの」と多くの親が真剣に悩んでいます。
英語が必要なのは理解できます。
しかし、これからは、それだけでは足りません。
問題を解決する力、柔軟な思考力、人とのコミュニケーション能力など、
高度成長期の日本であれば、会社がじっくりと新入社員を教育しましたが、
現代の会社にそれを望むことはできません。
「では、どうしたらいいのですか」と疑問を感じている親の数たるや、
日々に加速度的に増加しているのではないかと思います。
「かわいい子には旅をさせる」いというのが、私の結論です。
もちろん、わが子にもそうしました。
高校時代の3年間をニュージーランドで過ごした長男は、
現在26歳です。彼とは、1年に2-3回会います。
コンピュータ好きが高じて、病院の患者管理を電子化する会社に勤めています。
わが子を留学させて、私は留学コンサルタントしてたくさんのことを学びました。
そのなかで最も私とって大きな学びは、「汝自身を知れ」ということでした。
「ああ、親とはこれほどまでに、わが子に対して盲目で、良識もない」
それは、私にとって、巨大なエゴ(自我)に対する認識でした。
今にしてみれば、「親ばか」の一言なのですが、
子どもを留学させている時は、どうしても自分を
客観的に見ることができなかったのです。
(次週につづきます)