留学コンシェルジュ

留学生が学ぶこと - 4

<前日のブログに続きます>
留学生が海外で学ぶことを3回にわたり書いてきましたが、
その根本に子どもたちの可能性への限りなき追求があります。
学習の内容と量にかかわらず、そこで生活するだけで
1年もたたないうちに生活には困らなくなる言語習得力、
「中途帰国もあり得る」と覚悟を決めて、親はわが子を留学に送り出しますが、
それは99%現実化することはありません。
子どもたちの「生きる力」があるからこそ、
私はこの仕事を32年間、継続できています。
あるお父さんは、
「日本を外から見てほしい。そして自分の小ささを感じてほしい。そうしたら、自分がやるべきことが見えてくる」と言いました。
お父さん自身の今まで生きてきた経験がそのような言葉になったと思います。
日本のなかだけで世界に接していると、内弁慶になるような気がしてなりません。
特に、学校教育という世界はその傾向があるのではないかと思います。
たとえば、国のアイデンティティーとして、旗があり、国歌がありますが、
日本国内においては、卒業式に国家を歌うか否かで議論に及んだり、
国の旗を掲げるにおいても学校教育のなかで問題にされたりもしています。
外国からその状況を眺めてみる時、日本からの留学生は何を感じるでしょうか。
ボーディングスクールでは、どこの学校でも生徒たちが集まる
ダイニングホール(食堂)などに生徒の出身国の国旗が掲げられています。
インターナショナルデイというイベントの日があり、留学生たちが
自国の衣装、料理、ほか文化紹介をします。
国旗、国歌ともに自分の国のしるしとして、世界から集まってくる留学生は
自国の歌が歌えて当たり前です。
もし、国歌を知らない留学生がいれば、周囲から驚きの目で見られるでしょう。
そこで、日本からの留学生たちは考えます。国歌は覚えておこう、
国旗は大切にしよう、日本の広さ、人口などは、説明できるようにしよう、
テストに出るから覚えるのではありません。「そんなことも知らないのか」と
他国の生徒から思われることが、自分自身で納得できないから、
自発的に知ろうとします。
日本について、先生や生徒から質問され、彼らの日本の知識が
明治時代のことであったり、偏見に満ちているものもたくさんあることが
認識できるようになると、果たして自分の「世界」に対する知識は
信頼できるのかとも思うようになります。
つづく

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