★ボーディングスクール 日本の地方と都市部からの受験
中学、高校留学がそもそも備えている特性として、日本からの出願機会は地方あるいは都市部を問わない機会均等性があります。日本での中学、高校受験では、大都市とその近郊に多くの難関私立中学、高校および進学校が集中しています。そのため、通学できない地域に住んでいる生徒は、それらの学校に通うことは物理的に不可能です。しかし、留学においては、出願時に本人の通学している学校やその場所が問われることは全くありません。
ボーディングスクールは北米、ヨーロッパの主要都市には一つもありません。TABS(アメリカボーディングスクール協会)に加盟しているすべての学校は、都市から数十キロ以上離れた郊外、人口数万人の町、あるいは周囲には何もない田舎に位置しています。中学、高校留学では、留学先の治安や安全性が最優先されるのは当然ですが、これは、ボーディングスクールに子どもを通わせようと考えるすべての親の共通した問題です。学習環境が良いからこそ、世界のボーディングスクールは100年を優に超える歴史を作ることができました。
北米を例にとると、ボーディングスクール300校余りの平均敷地面積は125エーカー(縦・横約700メートル)ほどになります。ほとんどの学校が、独立したサッカー場、フットボール場、野球場、陸上競技場をそなえ、テニスコートも10面くらいはあります。また、敷地内にゴルフ場のある学校も珍しくなく、スキー場のある学校もあります。安全な場所で土地をふんだんに使えるというメリットを生かして、ボーディングスクールの教育は行われます。その教育理念は、大学入試のテスト対策では決してありません。もし、そうであるならば、これだけの体育施設を生徒ために作る必要もありませんし、周囲が森に囲まれたような田舎に立地させる必要もありません。
大都市から離れて、静かでそこで学ぶ生徒たちが自由に勉強し、午後にはスポーツや芸術に取り組み、半径200キロくらいの私立の学校と積極的にスポーツや社会活動などで交流し、さらに週末になると都市などにバスで生徒を連れて行くという手間のかかることをあえて行うのは、明確な目的があるからです。