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教育の行方 - 4

<29日のブログに続きます>
教育についてのタイトルなのですが、おおよそ留学生の成長過程について
述べていることに私は気づきます。
では、教育と留学生の体験にどのような接点があるかについて、
考えたいと思います。
留学初期の混沌 → 現地への適応 → 第一次安定期 → 安定と動揺、
このような過程を経て留学生たちは初年度を終えるといっていいと思います。
もちろん、成長には個人差がありますから、このプロセスは、
早い生徒で半年、遅い生徒で2年くらいのレンジで捉えられると思います。
この間に留学生が学ぶのは、数学、英語、社会、理科の分野のことですが、
中学生、高校留学の場合、それぞれの科目を深く学ぶことは、
ことばのハンディがあるので、限界があります。
シェークスピアは、英語圏の中高生必須の読み物ですが、
劇が作り出された世相、劇中人物の心理や特徴、
そして劇が言わんとしていることなどを、ネイティブスピーカーたちと
対等にやり取りができるはずがありません。
社会科にしても同様です。歴史、政治、文化などの学習においては
ディスカッションなどそもそも日本の生徒にできるわけがなく、
英語が話せても、話せなくても、クラスでの活躍には遠く及ばない。
では、彼らはいったいどうしているのでしょうか。
留学生は、いつも考えているのです。クラスで黙っていながらにしても、
皆の話題に入っていけなくても、先生に発言を促されつつも、
いつも考えているのです。
この考えるという精神行動が日本での学習と異なるところです。
日本式教育の場合、考えるという作業の価値や、着眼点の独自性とその展開には、
重点が置かれず、ひたすら知識を覚え込むことに価値が見出される。
その単純な作業の繰り返しに耐える精神性が重んじられる。
だから、覚える内容が高等であろうと、単純だろうと「根性」が必要になる。
知っていることが積み重なっていき、教養や学究的な態度が身につく。
それが社会に出るための基礎となっていると考えられてはいないでしょうか。
つづく

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