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◆ スイスボーディングスクール訪問5 ZuozとTASIS

<先日のブログに続きます>
Lyceum Alpinum Zuozを卒業するにあたり、IBディプロマとサーティフィケイトの2種類があり、サーティフィケイトとは、学力が高くない生徒や、英語力の低い生徒の救済策として用いられ資格であると昨日のブログで述べました。学校としては、サーティフィケイトはあくまでもやむを得ない生徒への配慮であり、初めからそれを目指して生徒を入学はさせないとしています。
IBプログラムがヨーロッパ基準の高校終了資格であり、そこで求められる語学力、思考力、問題解決能力、プレゼン能力、論理的な検証力、数学力、理科、社会に関する知識などは、アメリカのディプロマ方式教育と比較して難易度が高いと言われています。それ故に、Zuozでは、ハイスクールカリキュラムが始まる9年生からの英語力を重視します。
Zuozと同様に9年生からの英語力を重視するのがTASISです。この学校はアメリカンスクールであり、教育ファミリーで育ったTASISの創立者、フレミング女史の理念は、「アメリカのボーディングスクール教育をヨーロッパで実現する」でした。彼女は4年前に他界されましたが、その理想はしっかりとフレミングさんの娘さんに引き継がれました。
2代目フレミング女史は、お母さんから引き継いだTASISをNPO法人にして、ご自身の遺産をTASISの施設や設備拡充のために使ったとのことでした。更には、篤実家の卒業生の寄付により、新たなアートセンターなどが新築され、その規模を拡大するとともに、世界から集まってくる生徒により充実した学習環境を提供しています。
TASISのESLは7年生、8年生が中心です。したがって、アメリカンディプロマとIBプログラムを提供する学校でありながら、Zuozと全く同様に9年生でかなりの英語力、(TOEFL推定50点以上)を要求するのです。Director of Admissionのビル・アイクナーさんは、志願者の英語力を査定するのに、SLEPテストは使わないと明言します。また、話す力、聞く力もさして問わないとまで言います。
問題は、SLEPテストの点数で計られるような、英語知識ではなく、TASISでの学習に耐えられるだけの英語の読む力と書く力なのです。彼から預かった9年生入学用英語力査定の問題は、ある簡単で簡潔な英語の物語を志願者に時間を限定して読ませ、その物語の社会的教訓や意義を生徒独自の言葉で文章に表現させるというものです。
その注意書きは、下記のとおりです。
・本文を暗記して書き写さないように。あなた独自の言葉で書きなさい。
・答案を作成中に本文を参照してはいけません。
この注意書きが意味しているのは、おそらくアジア人の志願者に対する警告です。暗記を得意とする私たちの学習方法から、内容理解、自分の意見を展開するという英語圏の学習文化をどれだけ実践できるかが9年生ですでに求められています。
つづく

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