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日曜コラム 日本の伝統1 剣道

柔道は日本が生み出したスポーツで世界へと広まっていきましたが、
剣道は柔道ほどには世界のスポーツとはなっていません。
日本では、小学校の習いごとスポーツとしては、サッカー、
水泳ほどでなないにしろ、柔道よりも剣道のほうが
盛んではないかと思います。
どうして、剣道が柔道ほどに世界に広まらないのか、
その理由の一つに、日本独特の文化的背景があると私は思います。
剣道において、最も重んじられるのは「礼」です。
これは、礼儀と言い換えても差し支えないと思います。
なぜ、礼が剣道において重要かというと、
竹刀で相手を殴るわけですから、「お願いします」という気持ちで
望み、恒に「ありがとうございます」と
意識しろと日本の伝統スポーツは教えるのです。
西洋で発達したフェンシングと比較してみると、その違いが良くわかります。
フェンシングではどちらが先に相手を突くかが問題で、
その判定には、電気仕掛けのセンサーが用いられます。
人の目ではカバーできない突きの優位さを、機械が正確に判断します。
ですから、ジャッジは明確であり、間違えようがありません。
一方、剣道での勝ち負けは、どちらが先に打ったかではありません。
もちろん、先に打つことは重要な「一本」の要素ですが、
残心といって、打ったあとも、心すなわち意識を残す所作がないと、
なんと「一本」が取り消されることもあるのです。
先に突いたほうが勝ちの欧米剣道と、先に打つだけでなく、
その勢いと意識を打った後に示さないといけない日本の剣道の違いが、
世界に広がる汎用性があるかないかの大きな要素ではないかと思います。
「残心」という概念をウィキペディアで調べてみると、下記の説明があります。
だらしなくない事や気を抜かない事や卑怯でない事であり、裏を返せば「美しい所作」の継続ともいえる。
相手のある場合において卑怯でない、驕らない、高ぶらない事や試合う(しあう)相手がある事に感謝する。どんな相手でも相手があって初めて技術の向上が出来ることや相手から自身が学べたり初心に帰る事など、相互扶助であるという認識を常に忘れない心の緊張でもある。相手を尊重する思いやる事でもある。
フェンシングがスポーツとして発展して、現代においては、
相手を殺傷する武器としての要素は失われているのに対して、
剣道では、その精神が消えず、残心として残されているとは言えないでしょうか。
私の剣道との出会いは40歳の時、息子たちの健康のためと、
家内から勧められたのがきっかけですが、
子どもたちがとっくに剣道を卒業しましたが、
父親は結局、四十の手習いが継続しています。
これも剣道にみる日本の伝統への執着かもしれません。
(来週につづく)

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