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☆○ 留学生のアイデンティティ2

<12日のブログに続きます>
英語圏と日本の「自分」の作り方は逆と言えるかもしれません。
日本の場合、小学校から学校という団体生活の場で協調、
調和のための作業が開始されます。
ところが、英語圏の場合、初等教育から始められるのは、
自分探しではないかと思います。
英語であっても日本であっても小学校、中学校を通じて学習する内容に
それほど大きな違いがあるとは思えません。
しかし、英語圏のほうが、自己表現のための方法論が多様です。
たとえば、作文においては、自分の意見を述べることが何よりも重視されます。
まず初めに言いたいことをはっきりと述べること、そしてその理由を
次に述べること。この訓練を小、中、高校時代を通じて、徹底してやります。
日本の場合、大学入試で課せられる小論文に代表されるように、
作文においては、あるオピニオン(意見)を出して、
そのオピニオンを検証するような作文が良いとされるようです。
強烈な「私の考え」というよりも、一般化した意見を出して、
それについて複数の見方を提示して、最後に自分の意見を述べるという
やり方が指導されています。
起承転結、序論、本論、結論などと日本式、作文(小論文)の作り方が
説明されていますが、「私はどう考える」ということが、
重要だと指導が徹底されていない、される必要もないのが日本式です。
英語圏の作文指導は、とてもシンプルです。
まず、自分の言いたいことを文頭にかく。一番初めに書く。
次にその理由を自分が重要と思う順に3つほどあげればいいのです。
とてもわかりやすく、簡単で、はっきりとしていると思います。
文字による表現だけでなく、スピーチにおいても同様です。
「自分の考え」がこのように徹底している英語圏においては、
この考えを持たないことには、コミュニケーションが成り立たないと思います。
日本からの留学生たちが、ホームステイや学校などで、意見を求められて、
それにうまく答えられないで苦労するのは、英語力の問題というよりも、
それまでの文化習慣の違いによるものです。
自己表現、自己認識がほぼ逆である日本と英語圏ですが、
そのハンディを克服するのに10代であれば、
それほど時間がかかるわけではありません。
一般的に、1年もすれば中学、高校留学生は十分に英語圏の文化特性を
理解して、それに順応できると言えます。
また、すでに確立されている日本的な価値観も
彼らは切って捨てるわけではありません。
両方の使い分けを合理的に学びます。
つづく

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