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日曜コラム 体罰問題について

大分市内の中学校で外部コーチによる剣道部員への体罰映像が流されて、
スポーツ指導のあり方が問題になりました。
私は18年間剣道をやっていますが、体罰は自他ともに全く経験していません。
剣道だけでなく、英語圏の国々のボーディングスクールや通いの学校を
相当数訪問し、様々なスポーツの練習や試合の場面を見てきましたが、
体罰は一度も目撃したことはありません。
町の剣友会、警察署の道場を練習所としていた剣道クラブ、
そして私設の剣道場でいろいろな人たちと竹刀を交え、
たくさんの小学生剣士、学生剣士とも一緒に稽古をしました。
時には試合場などでいろいろなコーチ、監督さんたちとも出会いましたが、
子どもたち、生徒たちに暴力を振るっている人はいませんでした。
剣道はスポーツですから、強くなるためには、練習が欠かせません。
自主的に行うもの、先生の指導の下に行うものなど、
その方法と勝利へのアプローチは千差万別ですが、
「体罰」に関しては、強くなることとは、無関係と言ってよいために、
問題外のナンセンスと私は思います。
もちろん、強くなるためには、剣道に対する深い洞察そして、
厳しい練習とそれに耐える精神的、体力的な強さは当然ながら必要です。
私は、よく子どもたちとの剣道の稽古で、「元立ち」をします。
元立ちとは、打ち込みの相手役ですが、
全力での打ち込みは30秒もすれば、体力を消耗し、息もあがります。
それを何回も繰り返すことで、子どもや生徒は、体力、精神力を練っていきます。
ハアハアとお腹で息をしながら、先生の「始め」、「止め」の号令で
気力を振り絞りながら打ち込んでくる子どもたち、生徒たちに
私は、「自分に強くなれよ、自分に負けるな」という意識で元立ちを務めます。
私が剣道生活を通じて接してきた人たちは、警察官であれ、刑務官であれ、
消防士であれ、サラリーマンであれ、外国人であれ、
みな一応に剣道が好きな人たちです。
彼らは、小さな剣士のために喜んでボランティアで土曜日、
日曜日などの試合に、監督兼、ドライバー兼、世話役を務めます。
礼儀の良くない生徒、真面目に稽古に取り組まない生徒は、
そもそも、自分に厳しくなれません。
中途半端であるために、厳しい練習そのものに耐えられません。
有能な監督やコーチは、子どもたちの練習の辛さを知るがゆえに、
面を外したときは、親しみやすい人に徹しています。
そして、自分に厳しくあることを子どもたちに一所懸命に伝えようとします。
剣道に楽しく、意欲をもって取り組むということと、
体罰は無関係です。無関係なことに、時間と意識を割くほど、
剣道は、そしてスポーツ全般に対してもいえると思いますが、
甘くありません。
剣道を愛するがゆえに、スポーツを愛するがゆえに、
体罰などという組織権威の冒涜は、金輪際やめてほしいと私は思います。

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