コネチカット州、考えられない銃乱射事件について
とても残念なことですが、アメリカのコネチカット州、NewtownにあるSandy Hook小学校で銃乱射事件が先週末に起きてしまいました。このような事件が「アメリカ」で起こる度に、関係各位はその悲惨さを内外に発信します。そして、それを受け止める私たちは、「やはり、アメリカは銃がはびこる危険な国」という印象を持たざるを得ません。
なんと残念なことかと思います。本当にこころない極めて、極めて少人数の人間のために、世界中が震撼し、恐怖におののきアメリカに暴力や凶悪犯罪のイメージを加えていきます。
この事件へのコメントがマサチューセッツ州のジュニアボーディングスクール、Fay Schoolの校長、Robert J. Gustavson, JR氏から寄せられました。その抜粋をご紹介させていただきます。
保護者の皆様へ
今回のコネチカット州で起きた事件の犠牲者のご家族への深い悲しみに耐えません。Fay Schoolの関係者全員、この恐ろしい事件の犠牲者の家族の心境を数週間にわたり共有することでしょう。
私たちはこの事件について、「わが校の場合」という観点から考えさせられています。この種の暴挙が子どもに向けられるとき、私は恐怖に圧倒され絶望的になります。そして、なぜ事件が起きたのかを追求します。
私も3人の子どもを持つ父親であり、子どもたちが安全に学べる環境が絶対優先であることを皆さんと共有したいと思います。私たちは警察および消防と協力して、安全を確保するとともに、万が一のための訓練も怠らないようにしています。
このような具体的な安全対策がある一方で、さらに重要で忘れてはならないことがあります。それは、学校に関連するすべての職員の安全環境に対する意識です。不審な人物や状況に対しては、恒に警戒心を高く持ち、「子どもを守る」ために何ができるのかという議論をさらに進めていきます。
金曜日の悲惨な事件を受けて、アメリカ全土の学校が「学校の安全」について改めて考え直すことでしょう。私たちも同様です。明日、私は警察、消防と連携し、また水曜日にある職員の定例会で安全のための徹底した議論を尽くし、私たちの学校の「安全基準」の改定をします。1月2日には学校教員、スタッフ全員でこの案件を再考する予定をしています。
在校生徒への安心、安全を確保することもとても重要です。冬休みまであと2日ですが、特別なことはなく、予定通りに行事を行います。明日の集会では、犠牲者のために黙とうをささげますが、クラスにおいてのこの悲惨な事件の討論は避けるつもりです。そのかわりに、安全について心配のある生徒には、学校のカウンセラーが個別に対応します。彼らの犠牲者への思いを理解し、その心境を共有するとともに、私たちの学校での安全の確保と職員の安全への意識の高さを、相談に訪れた生徒には明確に伝えるつもりです。
どうか、家庭においても、私たちと同様に子どもたちの心境を保護者の皆さんには理解していただき、彼らが安全に勉強できる環境であることを確信させてあげてください。
悲惨な事件が起こるたびに私たちは悲しみにくれ、その気持ちを払拭することはとても難儀なことです。しかし、悲しみばかりでなく、私たちには叡智もあります。不安にさいなまれながら日常を送ってはならないと思います。この悲惨な事件から私たちは学び、生徒たちの安全を確保し、楽しく、快適に学習できる安全な学校を目指します。
Fay School校長